ダイイチ壱号店、3月末に閉店へ 商環境の変化など理由
地場スーパー大手のダイイチ(帯広、鈴木達雄社長)は、創業店舗である「壱号店」(帯広市西1南10)を、3月末にも閉店する方針を固めた。施設の老朽化や商環境の変化などが理由。市内中心部では唯一のスーパーで、特に周辺の飲食店関係者らが利用していた。
壱号店は1958年9月、帯広フードセンター(現・ダイイチ)の「本店」として現在地でオープン。改装などを経て、現在は鉄骨造り2階建て延べ床面積は891平方メートル。2階は事務所兼作業所として活用しており、1階の店舗部分は389平方メートル。土地と建物とも、個人地権者からの賃借だった。
地域一番店になったこともあったが、中心部商店街の居住人口が減り、車社会の進行で郊外の大型店に客の流れがシフト、近年は売り上げ減が続いていた。
「ダイイチが推進する店舗面積に比べてもかなり小さく、仮に改修しても収益増は見込めない」(同社)として、閉店することにした。
近隣では以前、福原(帯広)も店舗を構えていたが、2013年に閉店。ダイイチ壱号店は、深夜0時まで(日曜除く)営業していたこともあり、周辺飲食店関係者の利用も多かった。同社によると、昨年末から閉店方針の情報を聞いた飲食店関係者から、営業継続に関する嘆願書も寄せられている。
鈴木社長は「ダイイチの現在があるのは壱号店のおかげでもあり、地域貢献として売り上げに関係なく営業を続けてきた経緯がある。小売業の競争が厳しい中、白樺店の大改修も控えている。地域の人には申し訳ないが理解してほしい」と話している。
(佐藤いづみ)