牧草畑でタンチョウ羽休める 幕別
餌をついばむタンチョウのつがい。左が雌、右が雄とみられる
【幕別】国の特別天然記念物タンチョウが札内地区の畑で羽を休めている。つがいと見られる２羽で、餌をついばんだり大きく羽を広げて空を舞う姿が通行人らを楽しませている。
日本野鳥の会十勝支部によると、このつがいは同地区の北を流れる十勝川流域など、この周辺を行動圏にしている個体と見られる。このうち１羽は足に着けられた標識から、釧路管内鶴居村で２０１３年に生まれた雌と判明。もう１羽は雄と見られ、「つがいは一般的に雄のテリトリーで生活する可能性が高い」（同会の室瀬秋宏支部長）とし、十勝管内で生まれた個体と推測している。
住宅街にほど近い牧草畑では何度もこのつがいが目撃されており、土中の虫などをついばむ姿を見せていた。散歩中に畑の横を通った町民はスマートフォンで写真を撮るなど、愛らしい立ち姿に見ほれていた。
町内ではほかにもいくつかのタンチョウの家族が営巣。室瀬支部長は「見つけてもむやみに近づかず、遠くで見守ってあげて」と呼び掛けている。（折原徹也）
