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畑中さん、石倉さん学会賞 帯畜大 昆虫寄生菌を研究

優秀発表賞を受賞した(右から)石倉さん、畑中さんと、指導した相内助教

 第13回昆虫病理研究会シンポジウム(9月、山梨県富士吉田市)で、帯広畜産大学の学生2人が学生優秀発表賞を受賞した。いずれも昆虫寄生菌に関する研究で、病原体を媒介する蚊や農作物に被害を及ぼすコナジラミの効率的な駆除方法確立につながる可能性がある。

 受賞したのは、畜産学部畜産科学課程4年の畑中良太さん(22)、大学院畜産学研究科修士1年の石倉鈴風さん(23)。学生39人が発表し、7人が優秀発表賞に輝いた。昆虫寄生菌はかびの一種で、栄養を利用された昆虫は死ぬ。害虫は殺虫剤で駆除すると抵抗性が強まる可能性があり、寄生菌のような生物的防除の重要性は増している。

 畑中さんは、マラリアを媒介するハマダラカの体内で、病原力が異なる2種類の昆虫寄生菌の感染過程を研究した。その結果、1種類は蚊の体内で全身に増殖していたが、もう1種類は体内に入ったものの増殖しなかった。前者は蚊の免疫反応を打ち破って感染したと推測される。

 病原力の差を明らかにした畑中さんは「どのように免疫を打ち破るのか、そのシステムを研究したい」と話す。

 石倉さんは、農作物の品質低下や植物のウイルスを媒介する昆虫コナジラミの卵と、昆虫寄生菌の関係を研究。2種類のコナジラミの卵を調べると、寄生菌が卵を殺す効果に1割ほどの明確な差があった。卵は時間がたつと堅くなり、寄生菌が卵内に侵入しづらくなることから、2種類の卵の生育スピードが関係していると突き止めた。

 石倉さんは「卵が産み付けられる前に予防する防除技術を研究し、作物の被害を最小限に抑えたい」と話す。

 2人を指導する相内大吾助教(39)は「ひたすら観察を続け、こつこつと研究に取り組んできた2人が同時受賞し、うれしい」と喜ぶ。(池谷智仁)

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