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来年10月に値上げ JR北海道 経営改善に向け

JR北海道の収支見通しなどが示された6者協議(20日午前10時半ごろ)

 【札幌】JR北海道の路線見直し問題について議論するJRと国、道、道市長会、道町村会、JR貨物による6者協議が20日午前、道庁で開かれた。JR北海道の島田修社長は経営改善の取り組みの一環として、来年10月に運賃の値上げを行う考えを明らかにした。また、来年度から5年間の収支見通しを示した。

 経営改善の取り組みでは増収施策と資産売約・コスト削減について、5年間で効果が表れる取り組みとして、快速エアポートの輸送力強化や観光列車の運行、利用の少ない駅の廃止や無人化などを掲げた。運賃改定は消費税増税に合わせて実施し、具体的な金額は今後検討するが、40億円の増収となるよう値上げを行う。

 5年間の収支見通しは国からの支援を毎年200億円と想定したが、地域の負担は協議中のため含まない形で試算を行った。根室線(新得-富良野間)など輸送密度200人未満の5路線は、「地域との合意形成の上で進める」(島田社長)との前提のもと、バス転換費用や鉄道施設の撤去費用300億円を5年間で均等に配分した。

 JR単体での当期純利益は今年度が202億円の赤字のところ、2023年度には赤字額が90億円に縮小。グループ会社利益を含めた親会社株主帰属当期純利益は今年度169億円の赤字のところ、23年度には43億円の赤字になるとした。

 輸送密度200人以上2000人未満の8路線の営業損益は今年度124億円の赤字で、23年度は128億円の赤字となり、国や地域への負担を改めて求めた。

 国土交通省の蒲生篤実鉄道局長は地方財政措置について、「スキーム、支援規模を総務省と調整している」と述べるにとどめた。高橋はるみ知事は「われわれの負担できる規模に」と求め、JRに対しては「5年間に限られ、全体としての収支見通しが明らかになっていないのは残念。具体的な踏み込みが不十分」と指摘した。(津田恭平)

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