カヌーフリースタイルW杯に帯畜大の丸野文音初出場
国際カヌー連盟(ICF)主催のワールドカップ・フリースタイルカヤック大会(第1戦・7月2~4日、第2戦・同5~7日、スペイン・ソート)K-1(カヤック1人乗り)女子に帯畜大カヌー探検部の丸野文音(2年、所属はTNCカヌークラブ)が初出場する。日本選手権大会(ワールドカップ選考会、4月22日・山形県)に初出場で4位に入り、日本代表に選ばれた。十勝勢のカヌー・ワールドカップ出場は1994年のスラローム競技での福永明彦・福島泰生組(陸上自衛隊)以来24年ぶり。フリースタイル競技では初の快挙だ。丸野は「世界クラスの技を見て目標として生かせれば」と意気込む。(横田光俊)
丸野は大分県出身。小学生からクラシックバレエ、卓球、バスケットボールを行い、鳥取・倉吉農高では乗馬に取り組んだ。帯畜大の入学時にサークル紹介の宣伝ビデオでカヌー探検部のフリースタイル競技を見て「やってみたい」と入部した。帯広川での静水練習のほか、三笠市の幾春別川でのホール(落ち込み)、さらに今年3月には山形県に旭川医大と合同遠征して最上川のウエーブ(波)での練習で腕を磨いた。
フリースタイル競技は、激流での定められたホールまたはウエーブのスポットで、45秒以内に水平、垂直、斜め方向へのターン、宙返りなど多彩な動き(ムーブ)を演じて採点する。丸野は大会前に遠征した山形県の会場(最上川カヌーランド、通称「たんの瀬」)のウエーブで行われた日本選手権に初出場。フラットスピン(水平方向の回転)などを決めて4位となり、5枠の日本代表に入った。
2年に1度行われるワールドカップで、日本女子は高久瞳(東京都)が前回(2016年)と前々回(14年)のK-1で優勝するなど世界でトップクラス。今回の日本選手権も制した高久らと共に、丸野は大会の約1カ月前からスペイン入りして公式練習(6月25日~7月1日)などに臨む予定だ。大会は丸野が得意とするホールで実施され、現在週3回行っている幾春別川のホールでの練習では「ループ(宙返り)の高さ、精度が上がりエアループ(空中での回転)もできるようになってきた」と腕を上げている。大会では世界レベルの技を身近に感じて「得たものを部に還元できれば」と語る。
丸野が所属するTNC(十勝ネイチャーセンター)カヌークラブの相田健志代表(音更町、十勝川温泉旅館協同組合アウトドア事業部係長)は「フリースタイルカヤックの日本のレベルは上がっている。大会で力をつけてきてほしい」と期待している。