幼稚園教諭らが双葉幼稚園の歴史を学ぶ 帯広学園が職員対象にセミナー
帯広市内の帯西幼稚園、第一いずみ幼稚園、帯広調理師専門学校の3校を運営する帯広学園(遠藤崇浩理事長)は22日、旧双葉幼稚園(東4南10)で同学園の教諭ら職員を対象にしたスキルアップセミナー「異業種に学ぶ『感性の磨き方!』」を開いた。
同学園が昨年9月から取り組む職員研修の一環で、6回目の開催。寺院住職やおびひろ動物園長、帯広美術館学芸員ら、多彩な顔ぶれで講演を行っている。
約40人が参加。昨年に国の重要文化財指定を受けた旧双葉幼稚園の歴史を守り、認知活動なども行う「栴檀(せんだん)の会」(河野マリ子会長)のメンバーが、古い写真や教育遊具を用いて説明した。
講演では、1級建築士として園舎の構造を知る同会の川村善規さん(オフィスK&K)が赤い丸屋根が特徴的な園舎の成り立ちや、100年にわたって十勝の幼児教育を支えた同園の歴史を話した。
同園の収蔵物として保管する昔の教材なども展示された。2013年の閉園時まで教諭として働いた川田ノリ子さん(71)、河西道世さん(70)の2人が、授業で使った教育遊具「恩物(おんぶつ)」や紙芝居などの貴重な資料を説明。2代目園長の臼田梅さんが製作したとされる手技教材などもあり、参加者は現在にも通じる教育方法に興味深く見入っていた。
最後に第一いずみ幼稚園の橋本美由紀副主任が「どのような経緯で重要文化財となったか知ることができた。十勝の幼稚園教育の原点を知るのは、とても大切なことだと気付いた」とお礼を述べた。(折原徹也)