高校・社会人野球トップ選手の野上さんと松橋さんが帯広で指導
高校・社会人野球で国内トップレベルの活躍をした日本生命道東支社(釧路)社員で元選手の2人が帯広で働きながら、市内の子どもたちや社会人チームを指導し、五輪や甲子園の大舞台で得た経験や技術を伝えている。
2000年シドニー五輪日本代表の野上修さん(43)=帯広代理店営業支所長=と、04、05年に夏の甲子園2連覇を果たした駒大苫小牧高エースの松橋拓也さん(30)=帯広しらかば営業部長。ともに昨年4月から帯広で勤務している。
松橋さんは2年生の夏の甲子園準決勝で3回を投げ、最高147キロの球速を計測、道内勢初優勝に貢献した。3年時は地区大会でも苦しんだが、「出場校として優勝旗の返還を」と仕切り直し、再び甲子園の切符をつかんだ。決勝で京都外大西高に5-3で快勝し、連覇を達成した。
それまで甲子園では道内勢は弱い印象があり、「対戦相手に決まると喜ばれていた。悔しくてやってやろうという気で挑んだ結果が甲子園連覇。本気でやることの大切さを学んだ。あの経験は宝物」と話す。ニューヨークヤンキースで活躍する田中将大投手は1学年下の後輩だ。
明治大学から同社に入社。関東や道央勤務後、帯広へ。業務では女性職員の指導などを担当し、「野球の監督のようにマネジメントするのが仕事。相手に気持ちをぶつけることを大切にしている」という。
帯広では縁あって少年野球の稲田タイガースの練習に参加し、子どもたちに野球の基本を教えてきた。4月には根室市への異動が決まっているが、「十勝は年齢を問わず野球が盛んな地域。アドバイスしたことが役立ってもらえたらうれしい」と話す。
一方の野上さんは1997年に日本生命に入社。4年目にシドニー五輪に出場し、その後はコーチを務めて06年に引退した。明大野球部のOBで、松橋さんとは大学でも先輩・後輩の間柄になる。帯広赴任後は「何か野球で力になれれば」と、十勝ベースボールスクールで中学3年生に硬式野球を、草野球ではSWATTで社会人に軟式野球を指導してきた。(藤島諒司)