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自然環境に魅力と価値 日高山脈国定公園で調査報告会

日高山脈周辺の自然環境が紹介された報告会

 日高山脈周辺の国立公園指定検討に向けた調査報告会が16日、帯広百年記念館で開かれた。主催した環境省北海道地方環境事務所は、プレート衝突で形成された日高山脈は学術的に重要で、原生的な自然環境が残されており、自然公園としての魅力と価値があると説明した。

 日高山脈襟裳国定公園は氷河地形の「カール」があり、北海道を代表する野生動植物が多く生息することなどから、1981年に国定公園に指定。環境省は全国の国立・国定公園を総点検した結果、2010年に同公園を含む日高山脈周辺を、「国立公園の新規指定」または「国定公園の拡張」対象の候補地に選んだ。

 環境省は16年度から3カ年で日高山脈周辺の自然環境や利活用方法などを調査し、19年度以降に国立公園化など具体的な区域指定を検討する。自然環境調査が今年度でほぼ終了したことから、地域住民や関係者に情報提供するため報告会を開催した。

 報告会には約90人が参加した。北海道地方環境事務所国立公園課の柳川智巳課長補佐は、日高山脈はプレート同士の衝突で形成され、マントルが地表に出現した世界的に希少な地形と指摘。ヒダカソウやエゾトウウチソウなど純日本固有種が多く、貴重な昆虫や動物も生息しているとした。

 国立公園化検討に当たっては、「高山帯から森林帯、海域までの連続した保全が望ましい」と述べた。

 続いて、国立アイヌ民族博物館設立準備室の内田祐一調査官(元帯広百年記念館副館長)が「十勝のアイヌ文化から見た日高山脈」と題して講演した。(池谷智仁)

<日高山脈襟裳国定公園>
 帯広市や清水町、広尾町など十勝・日高両管内13市町村にまたがる。総面積は約10万3000ヘクタール。雄大な日高山脈や広尾町から襟裳岬にかけての海岸線、花の名山として知られるアポイ岳などがある。

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