白樺学園激闘制し4年ぶりV 全国高校アイスホッケー
第67回全国高校選手権大会(全国高体連、日本アイスホッケー連盟など主催)最終日は26日午前、帯広の森アイスアリーナで決勝を行った。白樺学園は昨年覇者の駒大苫小牧にGWS(ゲーム・ウイニング・ショット)の末に7-6で競り勝ち、4年ぶり5度目の栄冠に輝いた。白樺学園は4度リードを奪われたが追い付く粘りを見せ、白熱した好ゲームを制した。駒大苫小牧はFW木綿宏太(2年、屈足中出)が出場した。第3日の25日は準々決勝と準決勝を実施し、準決勝で白樺学園が清水を5-1で破り、十勝対決を制した。清水は7年ぶり3度目の決勝進出はならなかった。もう1試合の準決勝は駒大苫小牧が武修館(釧路)に4-2で競り勝った。準々決勝で白樺学園は八戸商(青森)に12-1で圧勝、清水は慶応義塾(神奈川)にGWSの激戦の末に5-4で勝利した。
(北雅貴、折原徹也、塩原真)
(26日)
◇決勝
白樺学園 7(2-2 1-1 3-3 延長 0-0 GWS 1-0)6 駒大苫小牧
白樺学園が決勝戦にふさわしい好ゲームをものにした。第1ピリオド(P)開始早々先制されたが、すぐに竹谷莉央人(1年)のゴールで同点。さらに4分すぎ、小堀雄太郎(3年)のゴール裏からのパスを小林斗威主将(同)が決めてリードした。第2P以降は常に追い掛ける形となり、同Pは佐久間雄大(同)、第3Pには中條廉(2年)と小林主将がそれぞれ同点弾を入れた。同P18分すぎに中條の得点で6-5で勝ち越し、勝負あったかに見えたが、相手はGKを下げた6人攻撃、残り43秒で追い付かれた。3人対3人の5分間の延長戦でも譲らずにGWSに。4人目の中條が決め、GKの石田龍之進(3年)が相手シュートを止め続けて勝利を決めた。
準決勝 十勝対決 白樺が清水下す
「人として成長できた3年間」 清水
十勝対決は、白樺学園が清水を5-1で下して2年連続の決勝進出を果たした。清水は7年ぶりの決勝進出を目指したが、1年生ながらゲームメーク能力の高い榛澤力をインフルエンザで欠き、攻撃に厚みが出ず追い上げられなかった。高橋仙人監督は「来年のシード権を得ることができ、3年生は良い土産を残してくれた」と、全国3位の結果に納得した表情も浮かべた。
清水は、U-20日本代表を5人抱える白樺学園に勝つための方法を考えたが、全道予選決勝での対戦(先制するも1-3で敗退)と比べ「きょうはまだまだだった」(高橋監督)。1セット目のDF廣田恵吾(3年)は「守りを固め切れず失点し、実力の差が出た」と唇をかんだ。
チームの攻撃の起点としてベスト4進出に貢献した廣田は「ここで終わったのは悔しいが、準々決勝でGWSを決め、準決勝に進めたのが一番うれしかった」と話す。
一昨年の台風災害では、チーム全員がボランティアで地元清水町のために活動した。被災した高齢者の家で、たまった泥の除去などに汗を流した。この3年間で「人としても成長できた」と、選手たちは監督やコーチの指導に感謝する。
廣田は明大に進学し、新しいステージでホッケーを続ける。1、2年生には「全国制覇を成し遂げてほしい」と奮起を期待した。
DF竹谷3得点「人生初」喜ぶ 白樺
準決勝で白樺学園のDF竹谷莉央人(りおと、1年)が3得点1アシストの大活躍を見せた。第1ピリオド(P)2分すぎ、小林斗威主将(3年)のゴール裏からのパスをダイレクトでゴールに突き刺し先制点。第2Pにはパワープレーの好機に、第3Pもゴールを決めた。
25日午前に行われた準々決勝では第3Pに失点につながるパスミス。湊谷匡晃監督にしかられ、「次は(良い)プレーで(借りを)返します」と宣言して臨んでいた。
釧路青葉小1年で競技を始め、少年団の先輩の高橋瞬(現明大3年)に憧れて白樺学園へ。「人生初のハットトリックはうれしいが、自分はDF。守りが最優先でプレーしている。気持ちを切り替えて決勝を戦う」と冷静に話した。
(25日)
◇準々決勝
白樺学園 12(3-0 5-0 4-1)1 八戸商(青森)
▽得点
【白】
(1)畑山→宮田→佐久間(1P1分5秒)
(2)小林→中條→米山(1P6分31秒)
(3)中條→小林(1P11分9秒)
(4)宮田→金子(2P11分5秒)
(5)米山→小堀→佐久間(2P13分14秒)
(6)竹谷→中條→小林(2P15分36秒)
(7)小堀→中條→小林(2P19分27秒)
(8)金子→宮田→佐久間(2P19分59秒)
(9)小林→小堀→畑山(3P7分18秒)
(10)石井→米山→近藤(3P8分48秒)
(11)中條→佐藤尚→小堀(3P10分21秒)
(12)菊池→近藤(3P12分31秒)
【八】
(1)種市→斉藤(3P11分33秒)
▽反則
【白】6(佐藤佑2、竹谷2、今井、川本)
【八】7(三浦彰2、種市、松坂、舘、長根、宮下)
▽シュート数
【白】64(19、21、24)
【八】8(1、5、2)
清水 5(2-3 1-1 1-0 延長 0-0 GWS 1-0)4 慶応義塾(神奈川)
▽得点
【清】
(1)下山→中植→丸山(1P4分43秒)
(2)佐藤岳→下山→丸山(1P19分24秒)
(3)山崎→川島→佐藤翼(2P9分19秒)
(4)廣田→丸山(3P3分38秒)
(5)土橋(GWS)
【慶】
(1)小嶋(1P10分49秒)
(2)笹山→田原→立島(1P14分45秒)
(3)田原→笹山(1P19分43秒)
(4)笹山→立島→田原(2P18分54秒)
▽反則
【清】3(中植、川島、丸山)
【慶】6(赤坂2、笹山2、須田、小嶋)
▽シュート数
【清】56(13、16、18、8、1)
【慶】14(8、3、3、0、0)
駒大苫小牧 7(4-0 2-0 1-0)0 水戸啓明(茨城)
武修館(釧路) 4(2-0 0-0 2-2)2 釧路江南
◇準決勝
白樺学園 5(2-1 1-0 2-0)1 清水
▽得点
【白】
(1)中條→小林→竹谷(1P2分2秒)
(2)小林→小堀(1P5分20秒)
(3)中條→小堀→竹谷(2P11分49秒)
(4)小林→竹谷→中條(3P1分26秒)
(5)中條→小林→竹谷(3P13分2秒)
【清】
(1)柴田→植森(1P12分18秒)
▽反則
【白】5(小堀2、竹谷、佐藤尚、熊谷)
【清】8(柴田2、廣田2、貝瀬2、丸山、川島)
▽シュート数
【白】55(19、21、15)
【清】19(7、9、3)
駒大苫小牧 4(1-1 2-0 1-1)2 武修館
十勝チームの試合 来月7日から放送 OCTV
大会に出場した十勝の4チームの試合の模様は2月7日から13日まで、帯広シティーケーブル(OCTV)のコミチャン(11Ch)の番組「スポーツ応援団」で放送する。初回は2月7日午後1時半から。
◆第67回全国高等学校アイスホッケー競技選手権大会について
・ゲームシート試合結果-日本アイスホッケー連盟公式ホームページ