「みかん大福」を商品化 十勝産小豆と愛媛ミカンで
十勝産小豆の「しゅまり」と愛媛県の温州みかんを原料に、同県の和菓子店が「みかん大福」を商品化した。大福とみかんの意外な組み合わせが目を引き、あんとみかんの甘み、酸味が口の中で一緒に広がる一品になった。
製造したのは四国最西端の同県伊方町にある田村菓子舗(田村義孝社長)。原料を仕入れる製あん会社の紹介で、小豆を生産する豊頃町の山崎浩道さん(47)、音更町の柴田直人さん(47)と宮村透さん(40)の農家3人とつながり、昨年から契約栽培のしゅまりのあんを使っている。
みかん大福は、中に3Sサイズの温州みかんが丸ごと入り、あんともちでくるんだ。5月以降、同店や道の駅で取り扱い、9月からは東京都内のアンテナショップでも販売を予定。1個500円の価格で、主に土産向けを想定している。
しゅまりは収量が少なく栽培が難しいことから、小豆作りが盛んな十勝でも生産量が限られる。ただ、田村社長は「あんにしたときの薄紫色が上品で味もとてもおいしい」と注目。山本忠信商店(音更)の契約栽培農家の団体に入り、豆作りに力を入れる山崎さんら3人も需要のある小豆を作りたいと考えた。
6月には音更町内のイベントで売ったところ好評で、山崎さんは「最初は微妙な反応を示す人もいたが、食べるとみかんもあんもおいしいと言ってもらえた。せっかく作った小豆なので多くの人に食べてもらいたい」と話す。管内での販売予定はないが、イベントでは限定販売も検討している。(安田義教)