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障害者の「親亡き後」支援を 有志が署名活動やセミナー企画

障害者の「親亡き後」の支援に向け、セミナーや署名運動をPRする(左から)長岡さん、小川さん、佐々木さん

 障害者の「親亡き後」を支援しようと、十勝の福祉関係者らが障害者の相続税を非課税にするための署名運動を開始する。その第一歩として、7月8日に帯広市内で生活面や制度に関する無料セミナーを開く。中心となって活動する一般社団法人青鳥舎(帯広)の小川洋輝代表理事は「障害のある方やその家族が安心して生きられるようにしたい」と話している。

 身体、知的、精神などの障害がある子を親が自宅でみている場合、親が亡くなると新たな拠点づくりが必要になる。相談支援専門員や成年後見人などがサポートするとしても、医療や福祉サービス利用に向けた契約締結や財産管理などさまざまな対応が必要となり、経済的支援も欠かせない。

 青鳥舎は発達障害のある子らの放課後支援施設「ことのは」を市内で運営。障害者との関わりの中で「私が亡くなった後が心配」といった家族の声を聞き、支援を模索していた。年間150カ所以上の福祉施設で出張理美容サービスを行うVESS(帯広)の長岡行子代表の協力を経て、具体的な活動へ動き出した。

 相続税は、相続人が障害者の場合、1年につき10万円(障害がより重い特別障害者は20万円)の控除がある。ただ、小川代表理事は「働けない障害者も多く、1円でも多く将来のためにお金を残してあげたい」とし、長岡代表も「障害のある人にとって、将来のことが実は一番大切」と賛同する。

 署名運動は管内の障害者団体や事業所などに呼び掛けるほか、人脈を駆使して東京や札幌の関係者などにも声を掛ける予定。知的障害者とその家族を支援する帯広市手をつなぐ育成会の畑中三岐子会長は「親亡き後の問題は永遠の課題。課題解決に向けて、さまざまな取り組みをしていただけるのは喜ばしいこと」と話している。

 3万筆を目標とし、要望書を添えて国政への提出を目指す。帯広市議の佐々木直美さんも協力し、市議会での陳情などを検討している。

 署名運動に関する問い合わせは、ことのは(0155・29・4873)か、VESS(0155・38・3558)へ。(松村智裕)

     ◆

 無料セミナー「障がいのある子の『親なきあと』」は7月8日午後7時から、とかちプラザ視聴覚室で開催する。

 「障害のある子の家族が知っておきたい『親なきあと』」などの著書がある行政書士の渡部伸さん(東京)が講師を務める。自身の子どもも知的障害があり、「必ず来る“いつか”に備え“今”できること」をテーマに話す。

 来場者には渡部さんが監修した「親心の記録」を贈呈。障害者本人の情報や緊急連絡先などを書き込み、支援者向けの「カルテ」として活用できる。

 事前申込制で先着150人が対象。参加希望者は、ことのは(電話、ファクス0155・29・4873、Eメールseityousya@gmail.com)へ、名前や連絡先、所属・立場を伝える。

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