廃止惜しみ 乗車券人気 稲士別→上厚内 最終3月3日指定買いも
JR根室線の稲士別駅(幕別町)、上厚内駅(浦幌町)が3月3日かぎりで廃止となるのを前に、同駅の駅名が印字された乗車券を購入する人が増えている。十勝管内だけでなく、道外からも鉄道ファンらが訪れており、多くの人が廃止を惜しみ、記念の乗車券を買い求めている。
帯広駅では2月に入り、帯広-稲士別間の乗車券を購入する人が増加。JR北海道によると、訪れるのは30~40代の男性が多く、購入当日の乗車券のほか、最終日となる3月3日の日付が入った乗車券を購入する人もいるという。
同駅のみどりの窓口で乗車券を販売する武田理沙さんは、「今月に入って1日平均2、3人は購入に訪れている。中には稲士別-上厚内間を購入する人もいる」と話す。
同様の動きは管内の他の駅でも。浦幌駅では1月半ばごろから週末を中心に、1日約3人が「記念に」と上厚内行きの乗車券を購入。同駅の中村裕明営業主任によると、購入者は20~30代の男性が中心で、中には管外や道外から乗車券購入のため同駅を訪れる人もおり、「稲士別から上厚内、上厚内から五十石(釧路管内標茶町)など、同日で廃止となる駅を結ぶ乗車券をまとめて購入する人もいる」という。
JR幕別駅でも中高年の男性を中心に、1日2人ほどが、稲士別へ向かう乗車券を記念に購入している。
廃止となる駅名入りの乗車券は3月3日まで購入が可能。帯広駅の佐々木大輔駅長は「廃止になる日が近づくにつれて、買い求める方は増えるのではないか」と話している。(中島佑斗)
◆幕別町稲士別駅の地図
・稲士別駅の場所を示すマップ-Googleマップ
◆浦幌町上厚内駅の地図
・上厚内駅の場所を示すマップ-Googleマップ