鳥インフル 続発地間引き検査に 大流行で手法変更 環境省
【東京】鳥インフルエンザが全国で過去最悪のペースで発生しているのを受け、環境省は27日、都内で専門家グループ緊急会合を開いた。検査機関数が限られているため、同一地域で野鳥の感染が続発した場合、最初の10羽以降の検査個体数を間引いて検査することを決めた。また、感染拡大防止に向けて、次年度以降は野鳥への給餌の見直しを関係自治体などに促すことも確認した。
同省によると、鳥インフルエンザの発生件数は、同日午後2時現在で、野鳥が15道県で118例(管内では上士幌町、音更町)、家禽(かきん)では5道県で7例(管内では清水町)と、いずれも過去最多となっている。
封じ込めなど高度の設備が必要なため、検査機関は北海道大学など全国4カ所などで行っている。
過去の状況から、野鳥の渡来数が増える1~2月の発生を前に、運用を改めた。1カ所で野鳥の感染の続発が確認された場合、都道府県や地元自治体と協議のうえ、最初の10羽以降は5羽に1羽程度の割合で検査する。
来季以降、野鳥大量死のリスク低減のため、多くの野鳥を誘引しないよう、タンチョウやハクチョウなどへの給餌の在り方を見直す。密集状態を避けるため、給餌の中止や多くの野鳥を誘い込まない給餌方法の検討を、関係自治体に周知する。(原山知寿子)