木綿崚介2年ぶり優勝 全国ジュニア自転車競技大会
自転車ロードレースの第12回全国ジュニア競技大会(10月30日、三重県四日市市水沢・桜地区特設コース、実行委員会主催)小学3・4年男子の部(9・2キロ)で、木綿崚介(9)=啓西小4年=が優勝を飾った。終盤の残り1キロで3選手によるトップ争いを抜け出して競り勝った。木綿は同大会の1・2年(5キロ)で連覇し、昨年の3・4年は準優勝に終わっていただけに強い意志を持ってチャンピオンに返り咲いた。
同競技のジュニア世代の国内最高峰の大会。同部には49人が出場した。木綿はスタートから続く上りでトップに立つと、そこからは“一人旅”の状態。6キロ地点で父博昭さん(46)=自営業=が確認した時には後続を50~60メートル引き離していたと言う。
ところが、残り1キロで2位と3位の選手に追い付かれた。木綿は「自分のペースは守れていた」と焦ることはなく、前日の試走で博昭さんと「勝負どころ」と確認していた最後の上りでアタック。スピードを上げて引き離しにかかり、2人も必死についてきたが、残り300メートルの最終コーナーを回った時には自転車2、3台分を空け、そのまま逃げ切りゴール。木綿のタイムは17分1秒374で、2位に約1秒差、3位には約1秒7差をつけた。「スタミナは残っていた。昨年の悔しさと、練習してきたことを無駄にしたくなかった」
木綿はこの大会、1・2年の部で連覇。距離が伸びた昨年の3・4年の部でも途中まで先頭を走っていた。しかし、先に出走していた5・6年の最後尾の選手に追い付いて接触し、落車。後続に抜かれて2位に終わった。
今年、「チャンピオンジャージー」を取り戻そうと平日は週3回25~30キロ、土・日曜は70~80キロを、同じくロードレースに取り組んでいる博昭さんと一緒に練習を重ねてきた。「先行逃げ切りの積極的なレースで勝て」と言い続ける博昭さんからは時には厳しい言葉も投げ掛けられたが、木綿は必死に食らい付いた。母恵代さん(41)は「親子で同じ目標を持っていることを周囲からうらやましがられる。2人を応援する喜びがある」と二人三脚を見守ってきた。
昨年、3・4年の部で木綿に逆転勝ちした森本真波斗(愛媛)は今年、5・6年の部で5位入賞を果たした。森本について博昭さんは「ゴールは団子状態で(森本が)優勝してもおかしくない。力はある」。1学年上の森本との勝負は来年だけ。木綿は「勝ちたい」と早くもリベンジに燃えている。(大野篤志)