フィギュアスケートの柚木 全日本ノービス選手権出場へ
フィギュアスケートのトップスケーターへの登竜門とされる2016全国有望新人発掘合宿(15~18日・長野県)のノービスBクラスで、東北・北海道ブロック選考会(3月24~27日・青森県)を経て参加した柚木心結(ゆのき・みゆ)=稲田小5年、帯広FSC=が優秀選手に選ばれ、第20回全日本ノービス選手権(日本スケート連盟主催、10月21~23日・兵庫県)の出場権を得た。柚木は「将来、オリンピックのメダリストになりたい」と、夢の実現に向けて目を輝かせている。(内形勝也)
長野県の帝国アイススケートトレーニングセンターで7月に行われた全国有望新人発掘合宿には、女子ノービスBクラスに全国から51人、東北・北海道ブロックからは柚木を含め5人が参加した。
4日間の日程で、陸上、氷上トレーニングや身体、体力測定、リズム表現講習を受け、エレメンツ発表でフリップ・ジャンプ(助走が短いジャンプ)の踏み切りと着氷などをチェックされた。最終的な演技会では2分30秒の中で、得意のイナバウアーなどを織り交ぜ、持てる力を全て出し切った。
スケーティング技術と音楽表現が重点的に審査され、「最後までスピードが落ちず、あふれる笑顔、体中から湧き出る感情が印象的」と審査員たちをうならせた。「レイバックスピンや片手ビールマンスピンは特に素晴らしい」と技術面も高く評価され、全国6人(北海道2人、青森県1人、愛知県1人、大阪府1人、京都府1人)の優秀選手の1人に選ばれた。
柚木は、3歳からフィギュアを始め、4歳で帯広FSC入り。身長129・5センチ、体重26・2キロと小柄だが、指導する帯広FSCの田守繭美代表は「表現力が豊かで笑顔が魅力的」と評する。今回の曲と振り付けを担当した田守由英コーチは「心結のキュートな感じとスケーティング技術が最大限に表現できる」とし、映画「オズの魔法使い」の劇中歌「虹の彼方(かなた)に」を選曲。技術指導は主に田守理那コーチが受け持った。
手厚い指導を受けたが、全国有望新人合宿には練習不足の状態だった。十勝ではリンクがオープンしていなかったため、4月から週に1、2回、釧路に出掛けた。7月1日からは清水町の御影リンクで汗を流した。母の愛さんは「練習場所を確保するのに苦労したこともあったが、多くの方々の支えに感謝したい」。柚木は「全日本ノービス選手権では、まだ試合でやったことがない3回転ジャンプに挑戦したい」とさらなる高みを目指し、日々練習を重ねている。