「肝炎検査を」 31日世界肝炎デーで街頭啓発
「夫は苦しみ、生きたいと願い、無念のまま亡くなった。同じ思いをもう誰もしてほしくない。今は直る病気。ぜひ検査を受けてほしい」。C型肝炎を発症した夫の清さん(享年73歳)を2010年にがんによる多臓器不全で亡くした木村俊子さん(76)=帯広=は、肝炎検査の普及を強く訴える。「B型・C型肝炎救済全国センター」(本部新潟)共同代表の木村さんは31日、JR帯広駅南口で街頭啓発を行う。28日は「世界肝炎デー」-。
会社員だった清さんは献血がきっかけで感染が判明し、発症。10年に肝がんになり、同年11月に亡くなった。木村さんは「健康で病院にかかったことはほぼなかった。1993年ごろ十二指腸潰瘍で輸血を受けたことがあり、それが原因で感染したとしか考えられない」と説明する。
同センターによると、ウイルス性感染は気づかず配置すると、慢性肝炎から肝硬変、肝がんになる危険性があり、国内では約100万人がB型・C型肝炎の感染に気づいていないという。「治療法が進歩し、3カ月飲めば100%近くC型が治る新薬が使える。夫も今なら死なずに済んだかもしれない。検査も無料で受けられる」と訴える。
木村さんは8年前、同センター(会員約6700人)に入会し、道支部代表を務める。2年前には患者への補償拡充などを求めた署名を代表の一人として国会に届け、初めて全国の仲間と街頭啓発も行った。
2年ぶりとなる31日の街頭啓発は仲間らと午後0時半から行う。木村さんは「検査の重要性、いまだ多くの患者が補償されていない現状を伝えたい。ただ仲間は高齢や、体調が悪い人も少なくない」とし、当日活動を支援してくれるボランティアを募っている。問い合わせは木村さん(090・6213・2240)へ。(佐藤いづみ)