退職校長に手書きの卒業証書 池田中でサプライズ卒業式
【池田】校長先生、ありがとう-。今月末で定年退職する池田中学校の伊倉将光校長(60)に対し、生徒たちがサプライズで企画した「卒業式」が24日、同校体育館で行われた。手書きの卒業証書を贈り、全校生徒(1・2年生118人)で合唱を披露するなどし、36年の教員生活を終える伊倉校長に感謝の気持ちを伝えた。
生徒会(田中大翔会長=2年)が中心となり、2月から準備を進めてきた。合唱の練習などは伊倉校長が不在のときに行い、妻の惠美さんへの手紙も田中会長が直接依頼するなど秘密厳守を徹底。卒業証書の文面も、生徒が考えて手書きするなど工夫を凝らした。
この日は修了式と教職員の離任式の後、生徒がアナウンスして「卒業式」が開幕。田中会長が「最後の生徒として誇りを持ち、新しい池田中学校を創り上げていくことを約束します」と卒業証書を伊倉校長に手渡した。美術部が3年前につまようじ3万5000本で作った似顔絵アートもプレゼント。伊倉校長が好きな合唱曲「親知らず子知らず」を全員で歌い、惠美さんの手紙を朗読した。
続いて1、2年生全員がステージ前に集まり、「校長先生、大好きです。36年間、お疲れ様でした」と呼び掛けた。
式後、田中会長は「大成功。校長先生に喜んでもらえてうれしい」と笑顔。伊倉校長は「気持ちの込もった式をしてもらい、感激した。こういう子どもたちを育ててくれた先生にも感謝したい」と話した。(末次一郎)