介護体験を語るタレント岩本さん 介護フェス
道主催の「介護フェスティバル」が16日、帯広市内のとかち館で開かれた。介護に携わる人材不足が全国的な課題となる中、介護職への理解と魅力発信を図るのが狙いで、道が初めて道内4カ所で企画。妻の介護経験などがある札幌在住のタレント岩本恭生さんによる基調講演や、介護職の魅力を語るパネルディスカッションなどが行われた。
介護職に興味のある人ら約50人が来場した。幼少期に帯広で暮らし、帯広小に通っていた岩本さんは、妻が脳幹にできた腫瘍の除去手術後に左半身がまひしたことをきっかけに介護と育児をこなすことになり、その後、東京から札幌に戻ったことなどを振り返った。
「周囲からは『頑張りすぎちゃだめ』と言われるが、頑張らないとできない」と力説。2014年2月に妻が死去、この3日には実母が脳梗塞で倒れ、再び介護の日々となり、「一人で抱え込まないで。私も週に1回はお酒を飲んで愚痴を言って気持ちを晴らしている」と話した。
普及啓発PR大使を務めるシンガーソングライター笠原瑠斗さんのミニライブも行われた。
シンポジウムでは、酒井俊・帯広第一病院副院長をコーディネーターに、特別養護老人ホーム帯広けいせい苑の植松哲子・副統括管理者(介護福祉士)、帯広大谷短大社会福祉科2年の栗本一樹さん、佐竹千夏さんがパネリストを務めた。植松さんは「私たちの関わりで、利用者さんの状態が(よく)変化するのを見るのがやりがい」と語った。
17日には道主催の職場見学ツアーも行われ、管内の約15人が、けいせい苑と介護老人保健施設アメニティ帯広を回った。
(佐藤いづみ)