日置君堂々の「ディプロマ賞」 ヨーロッパ国際ピアノコン
「第6回ヨーロッパ国際ピアノコンクールin Japan」(ヨーロッパ・ピアノ協会主催)で、帯広三条高校1年の日置空良(そら)君(16)が第4席の「ディプロマ賞」を獲得した。ミスはあったというものの、予選から一皮むけた演奏で目標の入賞を手にした。
日置君の演奏は「感情移入」と「感性豊かな表現力」が強み。全道大会に当たる地区本選(9月・札幌)でも自身の特徴をいかんなく発揮。全国大会に向けては、地区本選で審査員から指摘を受けた「音色の変化を意識した伸びやかな演奏」を意識し、修正作業を重ねた。
全国大会の出場権獲得は第1回以来だが、その際は他コンクールとの兼ね合いで辞退しており、今回が初出場。11月28日の本番(東京)ではバッハの「パルティータ第3番BWV827ジーグ」、アルベニスの「組曲スペインより マラゲーニャOp.165-3」の自由曲2曲を披露した。
ただ、アルベニスの楽曲で「今までにないミス。2カ所でたたいたはずの鍵盤から音が出なかった」といい、「思い切った演奏はできたが、満足のいく演奏にならなかった」。
それでも出場43人中、堂々の第4席。「賞を取れるとは思っていなかった」のに加え、大会当日と自身の誕生日も重なって喜びが増した。コンクールからは今回でいったん離れ、「タイミングと気持ちが重なったときに改めて挑戦したい」と話す。
同コンクールは日本人とヨーロッパ出身者が一緒に審査するなど、国内にいながら海外コンクールを受けるような環境をつくっている。審査委員長(今回はピアニストの杉谷昭子氏)が予選から全地区の審査に加わっている。(関根弘貴)