帯広出身の書道デザイナー天野萃美さん、東京五輪エンブレム応募
帯広市出身で東京都在住の書道デザイナー天野萃美=本名・早惠=さん(32)が、7日に締め切られた東京五輪・パラリンピックの大会エンブレムのデザイン公募に応募した。天野さんは8月中旬に毛筆と漢字を使った独自のエンブレム案を発表し、テレビ番組や雑誌などで話題を集めた。応募作も毛筆と漢字の組み合わせで、「躍動感のある書になった」と話している。
天野さんは7月に発表された公式エンブレムがデザイン模倣問題で撤回後、日本の「日」の字を毛筆で描いた独自案を作成。インターネットで発表したところ、テレビのワイドショー番組や女性誌などで連日紹介された。デザイン形状から日本を象徴する「巻き寿司エンブレム」とも呼ばれて評判を呼んだ。
今回の公募をめぐり、発表済み作品は応募できない条件だったため、改めて作品を制作した。構想を練り始めて約2週間で完成した新作も、日本人らしい感性を発揮。デザインに部分的な着色を取り入れ、モダンと伝統が融合する東京の街並みや選手たちが生き生きと競い合う様子などを表現した。天野さんは「人生で本当に貴重な経験になった」と喜んでいる。
応募要件を大幅に緩和し、11月24日から受け付けた大会エンブレムの応募総数は1万4599件。新エンブレムは年内の予備審査で100~200点に絞られ、来年1月の本格的な審査を経て、春に最終決定する見込み。(岩城由彦)