中学の学力向上、小学は全国下回る 道教委公表
道教委は25日、2015年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の管内別の結果を公表した。十勝管内の平均正答率は、小学校で全国平均を5教科下回り、中学校で同4教科上回った。小学校は例年並みだが、中学校は昨年全4教科で全国平均正答率を下回っていただけに、今回は学力の上昇傾向がみられる結果となった。
同テストは文科省が4月に全国の小中学校で実施。A問題は基礎知識、B問題は応用力を問う内容。理科は3年ぶりに行った。十勝管内は小学校95校(児童2962人)、中学校49校(生徒2981人)が参加した。このうち結果を公表したのは帯広など16市町村。非公表は本別、陸別、池田の3町。
管内の小学校で全国と比べ最も平均正答率が低かったのは算数A。このうち領域別では、「図形」「数と計算」「量と測定」で大きく離され、苦手意識がみられる結果に。特に、国語Aの「話すこと・聞くこと」は、全国比15ポイント減と領域別で最も低かった。
上昇傾向がみられた中学校では、4教科でわずかながら全国を上回り、数学Bも0・2ポイント差とほぼ全国平均並みとなった。領域別では国語B「書くこと」が全教科を通じて最も全国より高く、自身の言葉で物事を説明する力がついていることが分かった。
正答数の少ない下位25%に含まれている児童生徒の割合は、昨年は全教科で全国平均を0・6~2・3%上回っていたが、今年は初めて全教科で同0・6~2・9%下回り、大きく改善。小学校では理科が0・7%下回ったものの、その他4教科で4・4~8%上回り、下位層の底上げが必要な実態が分かった。
指導方法では、授業の冒頭で目標を「児童生徒によく示せた」と回答した学校の割合は小学校で81・1%、中学校で55・1%だった。しかし、一方では授業の目標を認識できた児童・生徒は小学校で52・3%、中学校で56・3%と認識に差があった。
結果を受け、十勝教育局は「指導方法を工夫したり、小学校では定期的に学びを振り返る時間を増やす必要がある」、市教委は「学力を伸ばすには学校、家庭学習のどちらも必要。学力向上の基盤づくりを小・中連携で進める必要がある」としている。(松田亜弓)