射場・大樹へ期待感 政府関係者ら視察続々
【大樹】航空宇宙関連の実験などが行われている大樹町多目的航空公園で、政府関係者らの視察が相次いでいる。国が鹿児島県・種子島に次ぐロケット・衛星の打ち上げ射場の整備を模索する中、この候補地として注目を集める。28日午前には、衆院内閣委員会(井上信治委員長、40人)の一行が視察し、地元関係者が同候補地としての優位性をアピールした。
同公園内には、町宇宙交流センターSORAや宇宙航空研究開発機構(JAXA)などの関連施設があり、JAXAをはじめ大学や民間の実験も行われている。町は30年前から実験誘致を進めるなど航空宇宙開発の分野で実績がある。
視察は、安全保障や宇宙ビジネスの観点で新射場の整備を検討する一環として行われている。同町には昨年11月、自民党宇宙・海洋開発特別委員会の河村建夫元委員長(元官房長官)が視察し、気象や地勢の条件面で優れているとの認識を示した。また、今年8月20日には道の航空宇宙業務担当の辻泰弘副知事、同24日には同特別委宇宙総合戦略小委員会の今津寛委員長もそれぞれ来町し、関連施設などを見て回った。
28日の衆院内閣委員会の視察では、山谷吉宏道副知事や酒森正人町長、NPO法人北海道宇宙科学技術創成センター、JAXAの関係者がこれまでの取り組みなどを説明。視察した理事らからは「もっといろいろな研究者を集めては」との意見もあった。
10月中旬には、同特別委宇宙法制に関するワーキングチームの寺田稔座長が視察予定で、引き続き整備推進の要人が来町する見通し。酒森町長は「射場やスペースポート計画などで応援を増やしたい」としている。(杉原尚勝、伊藤亮太)
衆院内閣委12人が調査
【大樹】衆院内閣委員会の理事、委員12人が28日、町多目的航空公園内にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大樹航空宇宙実験場などを視察した。29日まで管内を回り、北海道フード・コンプレックス国際戦略総合特区や、JA帯広かわにし別府事業所の取り組みなどを調査する。
同委員会は所管する宇宙開発のほか、成長戦略や地域活性化などの実情調査で十勝を訪れた。
大樹町では中川郁子衆院議員も同行した。