気球打ち上げ実験、大樹で3種実施 JAXA
【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で今年度予定している実験計画を発表した。気球実験は成層圏での微生物捕獲など3種類を行う。
今年度は4、5月にオーストラリアで長時間天文観測気球実験を行ったため、大樹では第1次実験のみを実施する。期間は8月3日~9月5日を予定している。
成層圏での微生物捕獲実験は直径34メートルの大気球を放球し、採取装置を切り離す。パラシュートを使って装置を降下させ、上空15~25キロの微生物を採取、分析する。
高度25~35キロの大気を採集する実験は2011年にも実施しており、気候変動のメカニズム解明につなげる。機器を載せた直径63メートルの大気球を上げ、マイナス269度の液体ヘリウムで大気を固化して大量に集め、成分を測定する。
また、国際宇宙ステーションから小型衛星を放出する試験で搭載する機器の動作を調べる実験も行う。
航空機に関する実験では、ヘリコプターから小型試験機を切り離し滑空させる試験などを実施。宇宙往還機の着陸時を念頭に、水平滑空する小型機の垂直方向への姿勢転回を実証する。小型固定翼無人機を使った放射線モニタリングシステムの研究も継続する。(伊藤亮太)