足寄高生徒に無料塾、公設民営で町が進学支援
【足寄】町は今年秋に足寄高校(西堀隆亮校長、生徒数109人)の生徒を対象にした公設民営型の学習塾を開設する。生徒の学力向上を支援し、進学実績を向上させることで魅力アップを図り、生徒数確保や高校存続を行政として後押しするのが狙い。運営は同校OBが経営する学習塾が担う。16日午前に開かれた町議会定例会で、安久津勝彦町長が行政執行方針の中で明らかにした。公設民営の学校や学習塾は全国では数例あるが、道教委によると「道内ではあまり聞いたことがない」という。
町から塾の運営を受託するのは、「Birth47(バースヨンナナ)」(本社東京都世田谷区、高橋宏幸社長)。道内を中心に慶学館、ITS進学センター、学び舎19(まなびやじゅく)などの学習塾を展開。現在、札幌や旭川、苫小牧などに28教室を持つ。塾生は約1100人。十勝では帯広、幕別(札内)、本別、鹿追に教室があり、約300人の小中学生らが通っている。
スポーツスクールや建材事業、公立公園内の飲食店舗運営なども手掛ける。資本金1900万円、従業員は約300人。2014年度の売り上げは約23億円。
教室は町土地開発基金で取得した南6条1の町有地と建物(旧東和石田事務所)。木造平屋建て約290平方メートル。国道242号に面し、足寄高校からは徒歩で行ける距離。
同社の計画によると、講師2人が常駐し、平日は午後3時から同10時、土・日曜は午前と夕方時間帯に開講、夏・冬休みも開く。複数の塾生が同じ講義を聴く授業形式ではなく、個々の生徒の学力や進路希望に応じた個別指導を行う。受講は無料。
高橋社長(42)は足寄町出身。足寄中学校、足寄高校卒。「全国各地の教育格差問題は深刻。母校である足寄高校の子供たちへの教育貢献を通じて、故郷のさらなる魅力化に尽力したい」と話している。
今後、町と同社は運営方法や契約形態など細部の詰めを行い、町は委託料を含めた関連予算を8月中旬までに町議会に提案する。
安久津町長は「高校の存続は町の発展に大きく関わる問題。都市部の高校にも劣らない魅力的で特色ある高校になれば、入学を目的とした町への転入者も期待できる」と話している。(鈴木裕之)
◆Birth47について
・塾運営委託会社「Birth47」の事業概要他-Birth47公式ホームページ