中川拳初の日本代表入り 自転車ジュニア国際大会奮闘中
3月の高校選抜大会(熊本)の自転車ロードレースで9位に入った中川拳(帯三条高3年)は、ジュニア(18歳以下)の日本ナショナルチームの一員に初めて選ばれ、シリーズ戦の国際レース「UCI(国際自転車競技連合)ジュニアズ・ネイションズカップ」(同連合主催)で奮闘している。同カップの獲得ポイントによって世界選手権大会(ジュニアカテゴリー)の日本の出場枠が増えるため、日の丸を背負う中川は「気持ちを引き締めて、少しでもチームに貢献できるように頑張りたい」と意気込んでいる。(北雅貴)
9月19日から27日まで米国リッチモンドで開催される世界選手権のジュニアカテゴリーには、各国とも既に3枠が用意されている。日本は枠の拡大を目的に、年間数大会が開催される同カップの中から大会を選んで参戦している。今回はスイス(5月28~31日)とドイツ(6月5~7日)に出場を決め6選手が選ばれた。道内からは中川のみ。
初めて挑んだスイスは山岳コースが多く苦戦した。中川は筋肉量が多く体重も他の選手に比べて重い分、登り坂が苦手だ。海外勢もジュニア世代の世界トップレベルの選手が多くエントリー。プロローグ(2・6キロタイムトライアル)で中川は124位、第1ステージ(110キロ)114位、第2-1ステージ(80キロ)は89位、第2-2ステージ(10・3キロタイムトライアル)114位にとどまり、第3ステージ(120キロ)は、20キロ地点で集団の3分の1が落車するアクシデントに巻き込まれ、結局リタイアした。
中川は士幌町在住。もともとはアルペンスキーの選手で、士幌中央中3年時には全国中体連とJOCジュニアオリンピックカップにも出場した。帯三条高に入学してからは、これまでスキーのトレーニングとして行ってきた自転車を選択。通学時間の関係でスキーを諦めて一本に絞った。
171センチ、70キロの体を生かした中距離でのパワーが持ち味で、ロードレースを得意としている。昨夏のインターハイでは2年生ながら14位。今年の高校選抜(3月19~21日・熊本)では優勝を狙ったが、脱水症状で足をつり力を出し切れなかった。直後に沖縄で5日間の日程で行われたジュニア強化指定選手の合宿で悔しさをぶつけ、今回の遠征メンバー入りが決まった。10キロ前後の個人タイムトライアルなどでアピール、平たんな場所での独走力に高い評価を得たという。
世界への挑戦について中川は「この経験が自分のステップアップには必要」と捉えている。そして「今年の一番の目標は世界選手権ジュニア出場。しっかりと成長しないといけない」と気を引き締めている。