ネパール大地震に十勝からも支援
「被害の大きさに驚いた」「人ごととは思えない」-。ネパール中部で4月25日に発生した大地震に、十勝の住民も高い関心を寄せている。帯広ネパール協会(編田照茂会長)が3日、帯広市内の藤丸前で行った緊急街頭募金活動では多くの市民が足を止め、一日も早く被災者に支援の手が行き届くことを願っていた。
(丹羽恭太、関根弘貴、松田亜弓)
買い物途中で募金した帯広森の里小6年の佐藤穂佳さん(11)は、残しておいたお年玉の一部を箱に入れた。「倒れた家を直してもらいたい」と早期復旧を望んでいる。穂佳さんの母親で主婦佐藤絵里さん(35)は「東日本大震災のときには多くの人に助けていただいた。恩返しの気持ちで、少しでも協力したい」と話していた。
募金活動を聞き付けて勤務中に立ち寄った市内の葬儀会社役員羽田野浩利さん(70)は「東日本大震災発生時には東北に派遣した社員から悲惨な現場の状況を聞いている。同じ人間として人ごととは思えない」と沈痛な面持ちで語った。
市内の無職大窪悦子さん(73)は、ニュースで見る現地の被害の大きさに驚き、「小学3年で体験した十勝沖地震のときの怖さを思い出した」と言う。「何もできないので、せめて寄付だけでも」と話した。
ネパール大地震では家屋の倒壊などで、これまでに中国やインドなど周辺国を含め6700人を超える死者が確認され、負傷者は1万4000人以上に上る。国連によると、約280万人が家を失ったとされる。
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募金活動には同協会から11人が並び、支援を訴えた。副会長を務めるアルジュン・アディカリさん(39)の妻スーニータさん(30)は2人の息子と参加し、「現地では食べ物や着る物、家もない。困っている人たちを助けたい」と訴えた。スーニータさんのいとこで、札幌から駆け付けたゴータマ・ツーラーサさん(30)は「子供がネパールにいる。安否は確認できたけど、国が心配」と表情を曇らせた。
編田照茂会長は「募金活動と合わせ、ネパールの現状を知ってほしい。関心を持っていただければ」と話している。
4日も長崎屋帯広店前で募金活動を行う。時間は午前11時~正午、午後1時~同2時。また、4日から31日まで、市内のネパール料理店など4店舗に募金箱を設置する。募金は在日ネパール人協会を通じて被災者支援に充てる。