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盲学校に通う北沼君 三味線の全国大会に挑戦

初めての全国大会に挑む北沼君

 帯広盲学校の中学2年、北沼真紅(しんく)君(13)が、「津軽三味線世界大会」(3、4日、青森県弘前市)に出場する。6歳の時に患った病気が原因で、左目は全盲、右目が弱視となった。ハンディを感じさせない力強い演奏が持ち味で、「迫力のある演奏がしたい」と張り切っている。

 三味線との出合いは小学5年生の時。三味線の音色が好きだった父真一さん(46)に勧められ、加藤流三絃会(加藤博会主)の門をたたいた。

 月4回のレッスンで実力はぐんぐん上達。楽譜は読めなかったが、耳の良さが際立ち、1回のレッスンで1曲ずつ覚えた。「やってみたら楽しかった。音を狂わずに出せるとうれしい」

 北沼君を指導してきた加藤恵里奈さんは「感受性が豊かで、耳がたけていた」と話す。他の生徒には対面で手の動きや弦の押さえ方などの技術を指導するが、北沼君には指に触れて教え、聞こえる音を再現できるよう努めた。

 2013年、三絃会の発表会に、「津軽三味線世界大会」で優勝した経歴を持つ、片耳が聞こえない葛西頼之さんがゲストとして来訪。同じようにハンディを抱える北沼君に葛西さんは共感し、勇気づけた。北沼君は「不自由を感じさせない勢いがあって、格好良い」と演奏に聞きほれ、いつか同じ大会で葛西さんと再会したいと心に決めた。今回、葛西さんは大会で審査員を務める。

 北沼君が大会への参加を加藤さんに勧められたのは半年前。人前で演奏するのは発表会くらいで、大会に出たことはなかったが、迷いはなかった。

 出場部門は「ジュニアC」で、2分半の制限時間の間に「津軽じょんがら節」を演奏する。曲が決まってからは放課後自宅で毎日練習を重ねた。けんしょう炎になりかけ、左手薬指から弦を揺する際に出血したこともあったが、徐々に皮膚が厚くなった。

 北沼君は本番に向け「自然体で、勢いよく弾きたい」と意気込み、「ずっと三味線を続けたい」と将来を見据える。加藤さんは「とにかく練習熱心。最後まで諦めず演奏してほしい」と話している。(松田亜弓)


◆津軽三味線世界大会について
2015年 第34回 津軽三味線世界大会-21津軽三味線ネットワークジャパンホームページ

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