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復興の先へ~東日本大震災4年「震災で弟亡くした織田亜由美さんインタビュー」

「いまいる。プロジェクト」で関わった大槌の子供たちの写真を手に、活動への思いを語る織田さん

 【音更】音更町在住の織田亜由美さん(48)は、岩手県大槌町で水産加工業を営んでいた弟一家3人を東日本大震災の津波で亡くした。「弟が生きていたら、大槌の復興のために頑張ったはず」との思いで、震災翌年から十勝管内の有志と共に大槌との交流や支援を続けてきた。震災から4年を機に、現在の心境や活動に懸ける思いなどを聞いた。(丹羽恭太)

 -4年間で気持ちに変化は。
 最初の1、2年は弟に関することの処理や、母親の気持ちがつぶれないようにすることなど、自分がきちんとしなければと張り詰めていた。去年はふっと抜けるところがあり、法要の席で心から泣くことができた。

 ただ、今でもテレビで震災のことをやっていると、整理してきた気持ちがかき乱される。そう言うと「まだ整理できないの」と思われそうで、自分の中に納めておかなければという気持ちがあるが、大槌の人たちとは思いを共有できる。

 -支援活動「いまいる。プロジェクト」では、毎年夏に大槌中学校の生徒を招いて交流している。どのような思いで続けてきたのか。
 たぶん、大槌の子供たちは家の中で、大変な思いをしている親の姿を見て、自分もつらいと言えないことがあると思う。ちょっとした楽しみがあれば頑張れるのでないか、と思って続けている。楽しみにしてくれる子供たちがいて、引率の先生たちが元気になっていく姿も見られるので、それを励みに続けてきた。

 交流する音更の子供たちも、すごく良い経験をさせてもらっていると思う。大槌の子供たちのために、自分たちは何ができるかということをすごく考える。「いまいる。」に関わったことで進路をはっきり決めたという子供もおり、それを聞いて嬉しかった。

 今年も続ける予定だが、これまでのように大槌の子供たちを招待するという形から、一緒に何かをやるという形にしたいと思っている。徐々に、「支援」から「交流」という形にしていきたい。

 -今後のプロジェクトの展望は。
 私たちは何かをしてあげているのではなく、大槌に関わらせてもらっているという感覚。いつかプロジェクトのメンバーで復興した大槌に行き、関わらせてもらった子供たちがどのように成長したかを見ることができれば、すごく幸せだと思う。大槌の子供たちが震災後に経験したことは、絶対に今後に生きてくる。どのように成長するか、とても楽しみだ。


◆いまいる。プロジェクトについて
「いまいる。プロジェクト」関連活動内容など-Facebook公式ページ

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