90歳以上の親睦会「卆越会」を設立へ 帯広市の邦さんら有志
帯広市在住の邦昂(くに・たかし)さん(88)ら有志が、90歳以上の人たちの親睦会を立ち上げる。その名も「卆越(そつえつ)会」。市内と近郊に住む数え年で90歳以上の人が対象で、4月12日にとかちプラザで創立総会を開く。邦さんは「(90歳以上の)“超高齢者”が、いかに健康で迷惑を掛けずに長生きするかも社会貢献の一つ」と入会を呼び掛けている。
市高齢者福祉課によると、昨年4月時点の市内老人クラブの会員数は8440人で、このうち満90歳以上の割合は5%(448人)にとどまる。「90歳にもなれば家から出ない人も多く、友達も増えない」と邦さん。自分の歩んできた道について仲間たちと語り合い、充実した余生を過ごそうと、会を立ち上げることを決めた。
昨年10月に市役所に相談に訪れ、仲間探しを開始。市民活動推進課で、バラト福祉センター運営委員長の昌本千寛さん(92)を紹介してもらった。さまざまな会を通じて声を掛け、邦さん、昌本さん、そして邦さんの近所に住む吉田政一さん(89)ら男性5人と女性1人の計6人が集まり、発起人となった。
「老いての後は一日を以て十日とし日々楽しむべし」など、江戸時代の儒学者貝原益軒が著した「養生訓」の考えを参考に、昨年11月から会則や活動内容などを詰めてきた。会の名称は「九十を越える」と書いて「卆越会」とした。
例会は2カ月に1回程度のペースで予定し、健康維持・増進に向けた講演会や放談会、食事会をはじめ、バス見学会、日帰り温泉などを考えている。リハビリやストレッチも取り入れていくという。
邦さんは「90歳以上の会は全国的にも珍しいと思う。帯広から発信したい。長い人生経験を生かし、小さなことでも社会のために貢献できれば。つえを利用している方も大歓迎します」と話している。創立総会は午前11時から。会費は年間1万円。参加希望者は邦さん(0155・35・5271か080・4042・1505)へ。
(澤村真理子)