フジッコと連携協定締結 フードバレー推進協
フードバレーとかち推進協議会(会長・米沢則寿帯広市長)と食品製造販売大手のフジッコ(神戸、福井正一社長)は4日、食の高付加価値化や健康増進に関する包括連携協定を結んだ。第一弾として来年度から、十勝の枝豆の葉と茎から抽出する機能性素材を活用した食品開発を進める。
枝豆の葉から抽出するのは、血糖値を下げ糖尿病予防に効果があるとされる「大豆ピニトール」。JA中札内村とJA帯広かわにしが原料を供給する。来年度から3年間、まずはコストを下げて商業ベースに乗る抽出技術の確立を目指す。研究にはとかち財団が協力し、同社も社員数人を派遣する。同時に、ピニトールを配合したスープなどの介護食品開発も行う。
枝豆の葉は利活用が限られ、収穫後に緑肥として畑にすき込んでいる。同社によると、ピニトール事業が軌道に乗れば年間3000トンの原料受け入れが可能という。
米沢会長と福井社長による調印式は、同日に帯広市役所で実施。米沢会長は「十勝には豊富な資源がある。両者の融合により、フードバレーをさらに深めていきたい」、福井社長は「世界に発信できる、健康に良い商品作りを進めたい」と語った。JA中札内村の山本勝博組合長、とかち財団の高橋勝坦理事長らも同席した。
同協議会が企業と連携協定を結ぶのは初。地元企業も機能性素材を活用した商品開発・製造が可能となる。
(池谷智仁)