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自然に勝る教育者なし 北明やまざと幼稚園 まちマイ芽室編

園庭のリンクで遊ぶ子供たち

 「自然に勝る教育者はいない」。

 北明やまざと幼稚園(北明)で開園以来30年近く、園児たちの成長を見守ってきた佐藤三幹園長(59)はこう強調する。「私たちができるのはお手伝いだけ。年を重ねるごとにその思いを強くしている」

 美しい自然に囲まれた同園は、「遊びで学ぶ」個性的な幼稚園として知られる。佐藤園長の父義雄さん(故人)が「雑草のように強いこころとからだ」を教育目標に、旧北明小学校の校舎を利用し、1986年に開園した。

 日常の散歩コースは片道3キロ。近くを流れる川の堤防沿いを歩き、林を抜け、山を登り、途中に草花や昆虫を見付けては、遊び、観察する。「毎日が冒険。子供たちは面白いものを自分で見つけ、自分で考えて遊ぶ」と佐藤園長は話す。強風の日以外、雨でも雪でも散歩に出掛ける。職員は子供たちに大きなケガがないよう注意を払うが、自然が学び場。擦り傷や、切り傷ができることもある。

 多少の傷はできても、保護者からは「たくさん遊ばせてほしい」と言われる。カレー作りやコンテナ露天風呂、キャンプファイヤーなどを体験するお泊り会や、池田町まで出掛ける汽車遠足、山のねん土を使った土鈴作りなど、多くの体験授業で子供たちの五感を養っている。

 冬には送迎バスのドライバーが園庭に造ったリンクでスケートを楽しむ。上手に滑れる子もいれば、時折転んでは立ち上がろうと奮闘する子も。年長組の櫻井心結(みゆう)ちゃん(6)の様子を見に来ていた母香代さん(38)は「少しぐらいのことでは泣かなくなった。お泊り会に行った後などは自信が付くのか、りりしい表情になって帰って来る」と、たくましく成長する娘の姿に目を細めた。自然に学ぶ同園の個性的な教育は、職員の熱意と保護者の理解に支えられていた。(高木公平)


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