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今泉君が優勝、木川さん準優勝 全日本紙飛行機選手権大会

愛用の飛行機を手に優勝を喜ぶ今泉君(右)と兄の優勝トロフィーと賞状を手にする友里さん

 紙飛行機の滞空時間を競う「第20回二宮康明杯全日本紙飛行機選手権大会(東京都武蔵野市、2014年11月1、2両日)で、帯広清川小4年の今泉岳土(がくと)君(10)が初優勝を果たし、今泉君の指導者で「帯広紙飛行機を飛ばす会」会長の木川博史さん(60)=帯広市役所勤務=も別部門で準優勝した。紙飛行機設計の「世界的権威」とされる大会長の二宮康明さん(88)は幼少時、帯広に住んでいたことがあり、ゆかりの地から出場した選手たちの活躍に目細めていたという。

 二宮さんは父の転勤で4歳から小学5年まで帯広に住み、子供の頃から紙飛行機作りに親しんだ。1976年の第1回国際紙飛行機サンフランシスコ大会で優勝し、設計や製作でも優れた技術を持つことから「紙飛行機の神様」と呼ばれる。

 大会は帯広を含む全国24地区で予選が行われ、各部(使用する機種別)の記録上位者が決勝大会に進んだ。

 今泉君が出場した「規定種目1J」の部は、長さ約23センチ、重さ約8グラムの「skyCabIII(スカイカブスリー)」を使用し、前頭部に輪ゴムを引っ掛けて反動で飛ばす。小学6年生までの12人が参加し、5回の飛行時間を競った。今泉君は5回とも10秒を超え合計90・8秒の好記録をマークして、初優勝を飾った。

 小学1年の頃、木川さんが主催する競技用紙飛行機の教室に家族で参加し、帯広で開かれる予選会に毎年出場してきた。飛行機の改良を重ね、木川さんからアドバイスをもらい腕を磨くうちに徐々に記録が伸びるようになった。

 今泉君は「かっこいいし、気流に乗って飛んでいるときが面白い」と魅力を語り、「次の大会では100秒以上を目指したい」と記録更新を目指す。母親の明子さん(48)は「思っている以上に紙飛行機は奥が深い。親が子供にしてほしいと思う素朴な遊びに出会えてよかった」と話す。決勝大会には、妹の友里さん(同小2年)も出場し、同種目で9位だった。

 木川さんは今年で10度目の大会出場。2011年にも「規定種目6」部門で準優勝に輝き、2回目の入賞。同部門は唯一、手で投げて飛ばす種目で30人が挑んだ。木川さんが使用した機体は「ホワイトウイングス・レーサー590」。1投目に60秒以上を記録し、好投した。

 中学時代に月刊誌「子供の科学」(誠文堂新光社)の付録にあった、二宮さんが設計した切り抜く紙飛行機作りに没頭。折り方一つで性能に違いが出る紙飛行機の奥深さに目覚めた。第11回大会で二宮さんに会ったことで、本格的に取り組むようになった。

 現在は、競技用紙飛行機教室(毎月第3土曜、市グリーンプラザ)を主催。「誰にでもできる競技。もっと多くの人に紙飛行機の魅力を伝えたい」と、二宮さんを育んだ十勝で、紙飛行機文化のさらなる普及を願っている。(松田亜弓、酒井花)


◆第20回二宮康明杯全日本紙飛行機選手権大会について
大会概要およびたくさんの写真による大会の模様など-日本紙飛行機協会公式ホームページ

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