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久保、山口男子1000ワンツー 道中学スケート

【男子1000決勝】札内東の久保向希は降雪の悪いコンディションながらも力強く滑り優勝を飾る。同走の山口遼(札内)が必死に追い2位に入った

 【札幌】スケートの第45回道中学校大会(道中体連など主催)最終日は12日、真駒内セキスイハイムスタジアムで男女の決勝を行った。1000メートル男子は久保向希(札内東3年)が1分19秒41で優勝、山口遼(札内同)が2位となり十勝勢でワンツーを決めた。同女子は長崎叶和子(緑南2年)が500メートル覇者の桑原僚己(湧別湖陵3年)の2冠を阻止し、1分27秒90で制した。田中菜々子(池田同)が3位となった。男子3000メートルは戸水謙一郎(中札内同)が5000メートルに続き銀メダルを獲得。優勝の佐藤智貴(釧路景雲同)は長距離2冠を達成した。男子学校対抗は、2000メートルリレーで優勝した中札内が逆転で制覇。女子は最終種目を前に優勝を決めていた士幌中央が2000メートルリレーも制し、有終の美を飾った。(岡部彰広、塩原真)

◆「足動かし」ライバル撃破 久保
 久保向希が山口遼との対戦第2ラウンドとなった1000メートル決勝で雪辱。「ラスト50メートルは(山口の)プレッシャーを感じたが、必死に足を動かした」と勝利にほっとした様子。

 スピードを生かして序盤から差を広げていく得意のパターンに持ち込んだ。ただ思ったほど差はつかなかった。「ちょっとした滑りのタイミングが合っていない。本当はもっと差をつけなければならない」(宮本信唯コーチ)。設定タイムからも遅れた。山口が残り300メートルとなったコーナーでバランスを崩したこともあって、逆転を許すことはなかったが、「足が動いていて空振りしている感じだった」と久保は不本意だったレースを振り返った。

 今季は中学最後の年の活躍を期して、軟式野球の道大会敗退後の8月から、すぐにスケートのための陸上トレーニングに取り組んだ。高校では野球をやめてスケートに絞ることもあり、大きな大会でのタイトル奪取が目標だ。

 今大会は体調不良ながら、金メダルをつかんだことを喜びつつ「全国大会はライバルが多い。タイムもあるが、勝つことが大切」と、さらなる勝ち星を求めて練習に励む。

【女子1000メートル決勝】後半も粘り強豪選手を抑えて優勝を果たした長﨑叶和子

◆長崎(緑南)が制す 女子1000
「頑張るなら今」後半粘り頂点に 長崎

 最後は転びそうになる感覚がありながら、ピッチは最後まで衰えなかった。先に滑走を終えていた500メートルの女王桑原僚己を逆転し、長崎叶和子が女子1000メートルの頂点に立った。

 悔いを残したくなかった。600メートルすぎが一番つらかったが「あと1周しかない。頑張るなら今」と気持ちを奮い立たせた。持ち味である後半の粘りを発揮し、雪が降る中で2位に終わった500メートルの悔しさを晴らした。

 昨年の全国大会1000メートルは最終組。緊張して足が動かず10位に終わった。今大会はくしくも2種目で最終組となったが「あの時は力を出せないで終わったので今回は出し切りたいと思っていた」と、結果を出せたことに納得の表情。今井英人コーチも「自分なりに(レースを)うまくコントロールしていた。自信をつけてくれたのでは」と目を細めていた。

【男子3000メートル決勝】2位に入賞した中札内の戸水謙一郎

◆リレーを制し逆転優勝貢献 中札内男子主将の戸水
 中札内男子主将の戸水謙一郎は、最終種目のリレーに出場して優勝に貢献、学校対抗の逆転優勝に導いた。「ぎりぎりだったので勝てるか分からなかったが、(優勝旗を)取れてうれしい」と素直に喜んだ。

 個人種目でも前日の5000メートルに続き、この日の3000メートルも「35秒台のラップタイムで安定して滑ることができた」と、佐藤智貴に次ぐ2位となり、得点を稼いだ。

 次は全国大会。佐藤の実力には一目置きながら「全国大会までに近づきたい」と意気込んでいた。

学校対抗女子で優勝した士幌中央。左から三塚優季、小野寺留衣、高木沙彩、若原楽

◆本当にうれしい
女子学校対抗優勝の士幌中央・小野寺留衣主将の話

 目標にはしていたが、本当に優勝できてうれしい。(個人的には4位だった)1500メートルが残念。足を動かしたが前に進まなかった。

【女子1000メートル決勝】最終のコーナーを懸命に滑走する田中菜々子

◆悪条件での3位に驚き 女子1000・田中
 短距離の実力者の田中菜々子は1000メートルで3位に食い込み、500メートルで表彰台を逃した悔しさを晴らした。

 天候にタイムが左右される屋外リンクは、152センチの小さな体には厳しい。今回は全国に向けての調整のつもりで臨んだ。

 前日の500メートルは最初の100メートルこそベストタイムが出たが、雪に足をとられ、前に進まなかった。その分、1000メートルは「600メートルまで頑張れたのが良かった。3位に入れてびっくり」。存在感をしっかり示した。屋内のエムウエーブ(長野)で行われる全国大会で真価は発揮される。

【男子3000メートル決勝】最終組で同走の戸水謙一郎と競り合い3位に入った大樹の堀川大地

◆故障からの復活表彰台に手応え 男子30003位・堀川大
 堀川きょうだいの長兄・大地(大樹3年)が5000メートルとともに3000メートルも3位に。「精神面に課題がある。強い気持ちが足りなかった」と話したが、復調に手応えを感じた様子。

 翼(2年)、さくら(1年)のほかに小学生の妹、弟がいる5人きょうだい。大地は昨シーズンに腰椎分離症で1年を棒に振ったものの今季は体幹を鍛えるなどして痛みを克服。ただ昨年11月のシーズン始めからだんだんと調子を落とした。「疲れが取れなかったのかもしれない。頑張りすぎというほど陸トレを人一倍やってきた」(宮本信唯コーチ)。

 周囲はブランクのせいと慰めてくれるが、好成績を収めるチームの同期の活躍に、焦りしか感じなかった。そんな中でつかんだ表彰台だった。「3000メートルはフォームを意識しながら積極的に行った。本調子なら優勝と変わらないタイムで行けたはず」と宮本コーチは期待を込めた。

 今回、3きょうだいがそろって全国出場を決めただけではなく、長兄としての意地を見せた大地は「今大会で今の実力が分かった。低い姿勢の維持やコーナーのテンポを改善してもっと調子を上げたい」と気合を入れていた。

(7位以下関係分)
【男子】
▽1000メートル

道中学記録 中村 隼人(安平早来)1分11秒19
大会記録  中村 隼人(安平早来)1分14秒36

(1)久保 向希(札内東)1分19秒41
(2)山口  遼(札内)1・19・57
(3)北澤 佑樹(釧路景雲)1・20・18
(4)岩佐 理央(札内)1・20・76
(5)松井 菫也(中標津)1・22・45
(6)濱本 兼伸(中札内)1・24・22
(7)齋藤寛汰(御影)1・24・32
(9)椿要二(緑南)1・25・43
(13)前田雄麻(駒場)1・26・62
(14)浪岡大睦(屈足)1・26・82
(19)竹澤直輝(芽室西)1・29・20
(23)相馬優斗(更別中央)1・45・05

▽3000メートル(カルテット)
道中学記録 中村 奨太(安平早来)3分48秒42
大会記録  岡田  翔(足寄)4分8秒92

(1)佐藤 智貴(釧路景雲)4分23秒70
(2)戸水謙一郎(中札内)4・26・31
(3)堀川 大地(大樹)4・31・45
(4)白川  諒(芽室)4・35・20
(5)佐藤 大雅(厚岸真龍)4・37・34
(6)安保 和也(士幌中央)4・37・66
(11)佐藤柊(緑南)4・40・57
(12)鈴木康介(豊頃)4・42・39
(15)佐々布雅敏(芽室西)4・42・86
(16)久保廉也(豊頃)4・45・08
(17)渡邊誠也(鹿追)4・46・26
(18)堀川翼(大樹)4・48・49
(19)櫻井俊太朗(帯緑園)4・49・75
(22)久保祐斗(札内東)4・54・33
 ※武田翔乃(池田)は棄権

▽2000メートルリレー(シングルトラック)
大会記録 下音更(下坂、田中、橋本、長江)2分35秒59
(1)中札内(濱本兼伸、大島颯己、佐竹柊真、戸水謙一郎)2分50秒20
(2)上川(草野泰士、伊藤響、伊丸岡知哉、川村航汰)2・51・69
(3)緑南(椿要二、田丸誠也、窪真一郎、佐藤柊)2・59・34
(4)別海上春別(野々村太陽、小島風太、前嶋怜、奥山大輝)2・59・47
(5)別海中央(渡邊悠馬、山桑竜海、福原祥真、小村逸)2・59・65
(6)更別中央(宗宮吏玖、半田唯、安田駿平、相馬優斗)3・0・62
(7)下音更(橋本侃樹、勝見風太、横山稜、伊藤武琉)3・0・97
(8)足寄(後藤雅史、櫻井風土、黒田勇成、小松龍二)3・3・22
 ※池田は棄権

▽学校対抗
(1)中札内34
(2)釧路景雲33
(3)札内32
(4)大樹17
(4)札内東17
(6)緑南14
(6)上川14
(12)芽室10
(12)御影10
(14)駒場7
(14)更別中央7
(17)豊頃6
(18)士幌中央5
(20)下音更4
(20)芽室西4
(25)帯緑園3
(25)池田3
(31)鹿追2
(31)屈足2
(31)本別2
(39)瓜幕1
(39)上士幌1
(39)清水1
(39)足寄1
(39)帯七1
(39)勇足1

【女子】
▽1000メートル

道中学記録 高木 美帆(札内)1分17秒77
大会記録  太田 凪砂(更別中央)1分24秒59

(1)長崎叶和子(緑南)1分27秒90
(2)桑原 僚己(湧別湖陵)1・29・82
(3)田中菜々子(池田)1・30・46
(4)松隈 梨乃(別海中春別)1・30・56
(5)嶋木  樹(上士幌)1・30・66
(6)前中 香澄(清里)1・31・19
(8)森田恵水(上士幌)1・32・92
(9)稲川くるみ(札内東)1・33・11
(10)藤井咲名(札内)1・33・18
(12)高木沙彩(士幌中央)1・35・12
(14)國井七彩(中札内)1・36・17
(19)斉藤瑠奈(帯西陵)1・37・83
(23)大野のどか(瓜幕)1・39・19
(24)松田小雪(中札内)1・43・17

▽2000メートルリレー(シングルトラック)
大会記録 安平早来(竹田、佐々木、高山菜、高山瑞)2分53秒39
(1)士幌中央(若原楽、高木沙彩、三塚優季、小野寺留衣)3分1秒44
(2)鵡川(東穂乃花、田畑一紗、上水梨裟、清水悠希)3・1・61
(3)池田(坂下唯、遠近未季、稲野辺梓、田中菜々子)3・1・82
(4)下音更(岡田紀香、佐々木希、佐々木成果、佐々木陽夏)3・2・27
 ※芽室は失格

▽学校対抗
(1)士幌中央40
(2)池田26
(3)下音更24
(4)鵡川22
(5)千歳青葉21
(6)緑南19
(9)上士幌12
(12)札内東8
(14)札内7
(15)新得6
(16)芽室5
(18)大樹4
(18)中札内4
(21)音更3
(21)帯西陵3
(24)瓜幕2
(29)帯七1


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