悲願の日本一に とかち帯広FC
快挙達成だ-。サッカーの十勝トレセンU-12の選抜チーム「とかち帯広FC」(喜多進代表、喜多翼監督、選手20人)が、静岡市長杯清水チャンピオンズカップ少年大会(20、21日)で、全国の並み居る強豪を倒し優勝を飾った。トレセンの前身、選抜チームを結成してから約30年。十勝サッカー関係者の悲願だった日本一は、質の高い選手たちが全国の洗練された組織に個で対抗し、チームとして徐々にまとまり1試合ごとに成長したことでつかみ取った。(菊池宗矩)
大会には全国大会ベスト4以上、各地域(4県以上)の大会で優勝したチームなど24チームが出場し、20日から2日間の日程で予選1次リーグ、2次リーグ、各リーグ決勝戦で争った。とかち帯広FCは2003年に初出場。実行委の推薦を受けて12年連続での出場となった。06年第34回大会の4位が最高で、予選リーグを1位通過し、1位トーナメントに出場したのは04、06年、今回の3回だけ。その他の予選リーグは2位6回、3位2回、4位1回。
予選初戦で波に
今大会、とかち帯広FCは予選1次リーグ初戦でバディ江東(東京)を2-0で破り流れをつくった。前半、相手に押されたが古田鷹椰(明和広陽)がカウンターから先制。後半には成田安里(プログレッソ)が決めた。
アスペガス生駒FC(奈良)を古田の2ゴールで下すと、地元静岡のSALFUSoRs戦は攻撃陣が大爆発。小林樹矢(清水)、古田の2ゴール、成田、上保歩輝(光南)、山田想真(緑陽台)と次々にゴールを決め2次リーグの1位リーグに進出した。
残り4秒劇的弾
横浜ジュニオール(神奈川)を1-0で下したが、続くバディーSC(神奈川)戦は得失点差の関係で勝たなければ決勝に進出できない。前半16分に左サイドの小林から速いパスが前線の古田に入ると、素早くターンして相手をかわし右足でゴール左隅に流し込んだ。同点とされ後半残り時間4秒。山田のロングスローが、3人のマークを引きつけた古田を通過し、走り込んだ藤村遥太(芽室)がダイレクトボレーで決勝ゴール。劇的勝利で決勝に進んだ。
決勝は地元清水
決勝は地元の清水トレセンU-12が相手。内容も良く主導権を握った。1点を追う後半、ゴールまで約20メートルの右サイドでFKを得ると成田がGKの頭上を襲うインステップのシュートを蹴り込み同点。さらに上保の右CKを長代和主将(浦幌)がヘッドでたたき込み歓喜の瞬間が訪れた。この試合は20人全員が出場。控えに回っていたGK須﨑天靖(若葉)は1対1のピンチを3度も救った。
さらなる高みへ
喜多代表は「身体能力や速さで全国に勝り、恐れずに戦った」とチームを評価し「約30年、今までのいろいろな人の力が結集しての快挙」と感謝する。古田は6得点2アシストで大会MVPを獲得。「とにかく点を取る役割を果たせた」と安堵(あんど)する。成田はゴールにつながるプレーを意識し3得点。「もっと練習する」と精進を誓う。“日本一”の個性派集団をまとめた長代主将は「一人一人が全力を出し切り勝つことができた。とてもうれしいが満足しないでさらなる高みを目指す」と気を引き締める。喜多監督は「信じられない。頑張りをサッカーの神様が見ていた。真面目にひたむきにプレーした。20人の誰が欠けても優勝できなかった」と感無量の様子だった。
◆静岡市長杯 第42回清水チャンピオンズカップ少年サッカー大会について
・参加チーム一覧(PDF)-清水サッカー協会公式ホームページ
・1次リーグ組み合わせ及び結果(PDF)-清水サッカー協会公式ホームページ
・2次リーグ組み合わせ及び結果(PDF)-清水サッカー協会公式ホームページ
・決勝戦組み合わせ及び結果(PDF)-清水サッカー協会公式ホームページ
◆第42回清水チャンピオンズカップ少年サッカー大会関連記事
・「とかち帯広FC」が全国優勝 少年サッカー清水チャンピオンズカップ-十勝毎日新聞電子版(2014/12/21)
・U12とかち帯広FC、清水チャンピオンズカップV目標-十勝毎日新聞電子版(2014/12/19)