帯農高生考案のビネガー商品化 帯広の飲食店
帯広農業高校食品科学科のビネガー班(横田あやめ班長、班員8人)オリジナルの醸造酢3種類が、帯広市内の飲食店「旬彩 高心」(大通南24、小林宏行代表)によって商品化された。企画から開発まで生徒たちが携わり、東京の物産展で販売も体験した。首都圏の消費者の評判は上々で、生徒たちは手応えを感じている。
同校では、学校の農場から出る規格外農作物を有効活用しようと2006年度にビネガー(酢)作りを始めた。東北以北では初めての発見となるブドウの酢酸菌を活用し、代々の班員が野菜や豆のビネガーを作ってきた。
昨年度から「高心」と生徒たちが共同でビネガーを使った加工品作りに取り組み、今年2月に「青ナンバンビネガー」入り「豚丼のタレ」を発売した。第2弾では、歴代の班員が研究してきた「金時豆」「青ナンバン」「カシス」のビネガーを商品化した。同班の製造技術を同社と岡本農園(中札内村)に移転、同校を卒業した管内の農業者でつくる「絆小豆」プロジェクトも原料の提供などで協力した。
商品は9月に完成。高心と同プロジェクトの資金提供で10月25日には、横浜市の百貨店で開かれた北海道物産展に生徒3人と菊池直樹教諭が同行し、来店客に商品の試飲を勧めたり、販売したりした。
3年の岸田萌さんは「『豆でお酢が作れるの』と関心を持ってもらえた」、谷野愛佳さんは「私たちの作ったビネガーが道外進出を果たすなんて」、横田班長は「商品作りから販売の機会までつくってくれた高心さんには本当に感謝している」と話す。
物産展に同行した高心の小林友恵統括マネジャー(41)は「販売して消費者の反応を確かめてこその商品づくり。高校生の研究も商品化してこそ意義がある」と話す。
班員は「料理のアクセントにアイスなどデザートにかけてもおいしくて健康にいいビネガーを十勝の人に広めたい」という。各100ミリリットル入り。価格は648円。12月には、とかち物産センター(JR帯広駅エスタ東館2階)や帯広競馬場内のとかちむらでも販売する予定。(酒井花)
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