トランプの壁が登場 坂本ビルのマジック博物館
坂本ビル(帯広)社長でアマチュアマジシャンの坂本和昭さん(56)が同ビル内に開設準備を進めるマジック博物館に、“トランプの壁”が登場した。929種類のトランプが壁一面にずらりと並ぶ姿は圧巻だ。17日には坂本さんのマジックの師であるジミー忍さん(故人)の妻こまだまこさん(72)=東京=が見学に訪れた。
プロのマジシャンを目指していた坂本さんは大学時代に初代引田天功の弟弟子のジミー忍さんに弟子入りし、学生時代は一緒にステージにも立った。こまださんはジミー忍さんのアシスタントとして35年間、全国各地で公演した。マジック博物館を開くのが夫妻の夢だったが、1995年にジミー忍さんが病のため他界。坂本さんが夫妻の夢を引き継ぐことになった。
2年前から開設準備を進めるビルの一室には、ジミー忍さんとこまださんが所有していた衣装や絵画、マジック道具をはじめ、坂本さんのコレクション、3年前に亡くなった音更町のアマチュアマジシャン植田広志さんの遺品を合わせ2万点以上の資料が集まった。仕事の合間に作業を進め、8月にようやく分類を終えた。
室内南側に作られたトランプの壁には国内外のさまざまなトランプが並ぶ。トランプの箱が落ちにくいよう少し傾斜を付けた幅5メートル、高さ2・5メートルの特製の木板にジャンル分けして飾り付けた。米国のトランプのブランド「BICYCLE」の製品や企業が宣伝用に製作した非売品、ティファニーやイヴサンローランなどのハイブランドのものも。
約700組を寄贈したこまださんは、トランプ一つひとつを懐かしそうに眺め、「こんな風に展示してくれてありがたい。夢がかなう」と開設を心待ちにする。坂本さんは「ママ(こまださん)にハッパを掛けられ、いいきっかけになった」と話していた。博物館は1、2年後のオープンを目指す。(澤村真理子)