取材力やレイアウト高評価 帯柏葉高新聞局2年連続最高位
帯広柏葉高校新聞局(竹村ゆりか局長、田中諒編集長)が全国高校総合文化祭の新聞部門(7月27~31日・茨城県筑波大学会館、参加142校)の「全国高校年間紙面審査」で最上位となる最優秀賞(5校)に2年連続で選ばれた。特集で発揮した高校生ならではの視点から鋭く切り込んだ取材力や、目を引くレイアウトが高く評価された。
同校では特集などを盛り込んだ20ページ前後の「柏葉高新聞」を年4回発行。これに加え、ほぼ毎週、学校行事などを掲載した速報版「とかちばれ」を発行している。例年、7月号で3年生が引退するため、同号が集大成の号となっている。グループに分かれながらも、局員全員で取材、写真撮影、割り付けなどの全工程に参加する方式で紙面作りを行っている。
今回の審査の対象となった2013年7月号は「医療」「大学」「脱ゆとり」「3・11その後」「TPP」「制服自由化」の6つを特集した。特に、「地方の医師不足」をセンターページの見開きで展開。管内の公立・民間病院、診療所、勤務・開業医、市医師会、保健師などさまざまな立場の医療関係者を取材し、十勝の医療界全体ではなく、産科や小児科といった労働条件が厳しい分野で医師不足が生じていることを浮き彫りにした。
また、田中編集長(2年)が「紙面で心掛けているのは高校生と社会とのつながり」と語るように、続く「大学」の特集では、3年生を対象にアンケートを実施し、十勝に医歯薬看系学部を持つ大学の新設を望む声が、15年前(1998年)に比べて倍になっているとした。その上で、米沢則寿帯広市長や、十勝に医療系大学の設置を主張し続けてきた勝井勝丸池田町長に大学新設に対する考えを問うインタビューを実施している。こうした記事が「足で書いた記事」などと評価された。
また、複数の審査員が高く評価したのがレイアウト。インパクトがある的確な見出し、写真の配置などは「全国一」との評価も得た。
局員は2年連続の最優秀賞にも気を緩めていない。3年生の引退後、1、2年生が7人ずつ計14人の局員ですでに始動している。竹村局長(2年)は「生徒全員に読んでもらえるような紙面作りが目標」と語り、田中編集長も「新聞の本当の評価は審査やコンクールではなく、手に取った人の手の動きや表情によるもの。今後も『生徒第一』の新聞を作り続けたい」と話している。(大谷健人)