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児童詩 魅力伝え55年 「サイロ」発刊650号に

55年分並んだ「サイロ」を振り返る杉森さん。体験事業などの新たな試み計画する

 生活体験や風土を子供の視点から描く児童詩誌「サイロ」が今年、創刊55年目を迎え、3月号で通算650号を達成した。少子化や創作の表現、手段の多様化など時代の変遷を踏まえ、今年度からは新たに、詩の創作につなげる体験活動事業「ふるさと十勝の足もと探し(仮称)」にも取り組む。発行するNPO法人小田豊四郎記念基金(事務局・帯広)の杉森繁樹代表は「時代の流れに即しつつ、『十勝の宝物』として発行を続けていきたい」と話している。

 「サイロ」は1960年1月に創刊。六花亭(小田豊社長)創業者の小田豊四郎さん(故人)が、児童詩の豊かな感性を広く伝え残そう-と親交のあった教諭に声を掛けて誕生した。以来、毎月1回発行し、管内の子供たちから寄せられた詩を毎号20編ほど収録。毎回4500部を発行し、官公庁や図書館、学校の他、遠くは九州など全国のファンの元に届けている。

 創刊55年目を機に、発行のスピードアップ化と投稿の門戸を拡大。これまでは締め切りから2カ月遅れの発行だったが、1月号からは毎月15日の締め切り後に即、編集会議を開き、翌月1日の発行を実現した。杉森代表は「スタッフは大変だが、時代のスピード感に合い、『旬』と季節感が生まれている」と話す。

 作品は編集スタッフの教諭の呼び掛けを通じ、各学校から集まるが、幼児でも取り組みやすいよう平易な「口答詩」も募集。子供たちが喜び、発見、驚いたときに、ふとこぼれた「つぶやき」も紹介。裏表紙の部分に大きく掲載し、送付袋を透明にして目に付きやすいよう工夫している。

 新企画の「ふるさと-」の事業は、行動範囲が限られる子供たちに、感動を得られ、詩の題材となる「場面」「体験」を提供するのが狙い。体験先は足寄のラワンブキやサケの遡上(そじょう)などを検討しており、今後季節ごとに開き、十勝の自然や気候風土を肌で感じ、「詩」として表現してもらう。

 

通算650号を突破した児童詩誌「サイロ」と杉森代表

杉森代表は「発行が55年も続くのは本当にすごいことで、子供の詩の素晴らしさが多くの共感を呼んでいる。小田豊四郎さんは『子供の詩は古くならない』とおっしゃっていた。周囲の環境が変化しても、子供の感性は不変。これからも作品を残し、広げていきたい」と話している。
(原山知寿子)

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