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思い込めた護摩供養、弘円寺 まちマイ音更編

本尊の前で行われる護摩のたき上げ

 鈴蘭公園の北側にある地蔵群の近くを散策していると、「チリン、チリン…」と鈴の音が。そういえば、園内に心霊スポットがあるといううわさを聞いたことがあるような…。

 鈴の音は「弘円寺」(鈴蘭公園2)という真言宗のお寺から漏れていた。入って行く人に聞くと、これから月1回の「不動護摩供養」が始まるという。失礼を承知で見学を願い出ると、住職の渡部俊賢さん(66)が快く迎え入れてくれた。

 本堂の中にはお年寄りを中心に20人ほどが座っていた。鈴の音が止むと、本尊の前に座った渡部さんと参列者がお経を上げ始めた。途中で渡部さんが護摩木を次々と火にくべていく。

 炎を見ていると不思議と心が落ち着く。人並み程度には持っている悩みが護摩木に乗り移り、それが焼かれて霧消するような感覚だ。供養が終わると渡部さんの説法。「幸せになる方法はよそを探しても見つからない。皆さんそれぞれの心の中、家族の中に探して」という言葉が胸にすっと入ってきた。

 供養には宗派を問わず、病気や家族のことなど、さまざまな悩みや願いを持つ人が参列する。「オレオレ詐欺にだまされた」などという世相を反映した悩みもあるという。30年来、受付を担当している帯広市内の山内香那子さん(87)は、「昔は子供に面倒を見てもらっている年寄りが、自分の願い事でお参りすることが多かった。今は逆に、子供や孫の心配をしている人が多い」と笑った。

 護摩供養は毎月18日午前11時から。
(丹羽恭太)


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