「金」のネイルで現地応援 長島選手の家族
【ソチ】スピードスケート競技の会場には長島圭一郎選手の母正子さん(63)、妻知子さん(34)=東京都在住=、姉美和子さん(39)=同=が第1コーナー出口付近に陣取り、声援を送った。
2009年に結婚した知子さんは、勝負の世界に生きる夫のため、年にトータルで「2カ月ぐらい」という帰宅中、ゆっくり休める環境づくりを心掛けてきた。今季は夏前から五輪へのスイッチが入ったのが分かったため、「集中してほしい」と連絡を取らなかった。「言葉にはしないが、目が本気だった」と振り返る。
美和子さんとともに金のネイルを施して応援したが、表彰台に立つ姿は見られなかった。横断幕であふれる涙を隠しつつ、「お疲れさまと言いたい」と健闘した夫をねぎらった。
正子さんは前日早朝にソチ入り。面倒な諸手続きに疲れた表情だったが、この日は「最後かもしれない」と思いながら息子の勇姿を瞳に刻み込み、「ご苦労さんと言うだけです」とつぶやいた。(岡部彰広)