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帯広の石澤さん、十勝最高齢で合格 日赤水上安全法救助員I

救助員Iの認定証を手にする石澤さん(前列中央)と、石澤さんの合格を支えたスイミングサライの仲間たち。同左は石澤さんとともに合格した原清美さん

 帯広市内のパート従業員、石澤由紀さん(66)が、日本赤十字社の資格試験「赤十字水上安全法救助員I」に合格した。これまでの合格者のうち管内最高齢は60歳で、これを大幅に更新した。石澤さんは「水泳サークルの仲間や指導員の皆さんのおかげ」と笑顔で話している。

 同資格試験は、水の事故から命を守る泳ぎの基本や、救助などの技術を習得するのが目的。試験を兼ねた講習会では、人を抱えて泳ぐ救助法や立ち泳ぎなどの実技と学科試験が行われる。帯広で講習会を開いている、帯広市水上安全赤十字奉仕団(高橋勉委員長)の富田康稔副委員長は「通常の泳法と異なるため、合格は若い人でも大変。体力もいるので50歳以上の受講者自体少ない」と話す。

 石澤さんが水泳を始めたのは2000年。交通事故で腰を痛めた際に通院していた整形外科の勧めでプールに通い、現在は水泳サークル「スイミング サライ」(坂下幸雄代表)に所属。現役スイマーとして競技に参加している他、障害者水泳の指導にも携わっている。

 救助員Iの資格試験への挑戦は2回目。石澤さんは「5年前に一度落ちた後、受けるつもりはなかったが、サークルの仲間の勧めと、障害者水泳の指導に役立つのではという思いから受験を決意した」と話す。

 同奉仕団が帯広の森市民プールスインピアで行っている事前講習に6月から参加し、救助のための技術や泳法を練習した。中でも救助者を抱えたまま、横に泳ぐための「あおり足」の習得に苦労し、「頭で分かっても体がついていかず、何度も教えてもらった」と振り返る。

 同プールで10月19、20の両日に行われた本番の講習会では、受講者2人1組による実技試験は同奉仕団の永田希久代さん(46)と組んで挑戦。「緊張せず、苦手なあおり足を含め一通りできたが、手応えは五分五分だった」という。

 11月1日付で認定証が発行され、「本当にうれしい気持ちでほっとした」と石澤さん。その上で、「まだまだ救助する力は足りないが、いざという時の心構えができた」とさらなる向上を誓っている。
(宮木宗久)

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