「海なし町」の返礼品にイクラ仲間入り 本別・源すしが開発
【本別】本別町北4の「源すし」(池田圭吾社長)が製造するイクラのしょうゆ漬けが、町ふるさと納税の返礼品に加わった。新鮮な筋子を一粒ずつ丁寧にほぐし、特製のタレで48時間じっくり漬け込んだ。「海なし町」の本別で、海産物の返礼品は初めて。既存の農畜産品と並ぶ新たな目玉として注目を集めそうだ。(佐藤匡聡)
ふるさと納税向けに開発した「特選いくら醤油漬け」(1個・100グラム)。楽天ふるさと納税を通じて取り扱う。8500円の寄付で1個が返礼される。2個セット(寄付金額1万3000円)、4個セット(同2万4000円)、8個セット(同4万4000円)もある。
源すしは1987年創業の老舗。池田さんは2代目で、旬の魚介類を地元客らに提供している。イクラしょうゆ漬けは、イクラ本来の甘みとうま味を最大限に引き出した一品。「仕入れたイクラの状態に合わせてだしの調合を変え『すし屋ならでは』の味に仕上げた」と胸を張る。
海産物の返礼品は、町の未来創造課と運営代行事業者ローカル(熊本県)を合わせた3者で2月から構想を練った。ただ秋サケの不漁でイクラの仕入れ価格が高騰し、一時は断念の2文字が頭をよぎった。
それでも帯広地方卸売市場の協力で原料を確保するめどが付き、実現にこぎ着けた。食品衛生法に基づく水産製品製造業の営業許可を取得、源すしの人気ねたが家庭で味わえる体制を整えた。
町未来創造課の山岸右弥主事は「農業と商業、双方の地場産品がそろってこそ本別の返礼品に厚みが出る」と強調。村上慈恩主事は「イクラは近隣自治体のふるさと納税で看板商品。本別の返礼品も寄付者に選ばれるよう魅力を発信していきたい」と意気込む。
池田さんは「ゼロから始めた取り組みだけに思い入れは大きい。既存の返礼品と肩を並べ、本別を知ってもらうきっかけになれば」と話している。










