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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「浦幌・橋枝物産」

橋枝俊英代表取締役

1.法人化を契機に直売
 浦幌町内の畑35ヘクタールで、小麦、ビート、馬鈴しょの「畑作3品目」とタマネギ、スイートコーン、南瓜を生産する。ハウスでは芝桜やラベンダー、ビンカミノールなどのグランドカバープランツを生産している。

 農業生産法人「有限会社 橋枝物産」を1995年に設立。それまでのJA全量出荷から、自ら作物に価値をつけて直接販売することを始めた。当時、地域では誰も栽培していなかったタマネギを作付けし、こだわりの栽培(電子技法)で23年目を迎えた。電子技法で生産されたタマネギとジャガイモのセットは町のふるさと納税の返礼品に採用されている。

2.農業の素晴らしさをアピール
 自分で栽培した作物などに付加価値をつけ、自分で販路を見出して販売していくことを始めて20数年がたった。父が開拓した取引先も数社あったが、2000年に義弟の紹介でホームページを作成。インターネットを通じて多くの取引先や個人ユーザーが増え、生産者と消費者の距離が近くなり、経営の大きな柱になった。

 1997年に国道38号沿いに農家の仲間で開設した地場産農産物の直売店「ザ・ベジタブルショップ21」の代表を務めている。現在は林業や漁業などの異業種の仲間も加わり、幅広い物産の販売を展開。町のパンフレットなども置き、観光PRにも一役買っている。

 橋枝さんは「消費者や業者さんには食(作物)を通じて、農業の素晴らしさをアピールしていくことが使命」だと強く思っている。

3.父から継続して加入
 同友会農業経営部会には先代から加入していたので、跡を継ぐようにスムーズに参加できた。最初に関わったのは、十数年前に生産者でファーマーズマーケットを帯広市内に開店することだった。当時、10人程度の仲間で連日、遅くまで経営議論を交わし、そのことが「いろんな考え方を持つきっかけとなり、人間形成のためになった」という。最近は、若手農業者の目覚ましい活躍に刺激を受けている。

4.時代の変革期 農業をより魅力ある産業に
 農業は今まで物を生産することにしか関わってこなかったが、これからは食をアピールし、「生命最大産業」として成長していくと考えている。その根底には「人が生きるために何が不可欠かということを再認識することで、価値観が変わっていく。お金や物質がいくら豊かでも、ひとたび災害が起こると世の中は混乱する現実を考えたときに、自ずと農業というものが脚光を浴びてくる。生産者もより考えていかなくてはならない」との思いがある。

 橋枝さんは「今は時代の変革期を迎えている。どういう経営戦略をたてていくかがこれからのカギとなると思う。目的意識をもって営農していけば、必ず魅力ある産業となる」と話している。


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