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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「帯広・レンタルのニッケン 十勝農林プロジェクト室」

虎井俊室長

1.林業レンタル最大手 道東初出店
 建機レンタル大手のレンタルのニッケンにあって、農林業に特化した拠点は、十勝農林プロジェクト室が初めて。元は自動車販売店の店舗だった帯広市西2南19の事務所内は、木や緑をふんだんに使った空間にレンタルする機器や車両などが陳列されている。建機レンタル会社のイメージは薄い。虎井俊室長は「まだまだ十勝では認知度は低い。まずはニッケンを知ってもらうためのショールーム」と話す。

 同社は林業機械レンタルでは業界最大手で、林業機械レンタルで培ったノウハウを農業分野にも生かす狙い。最新の農業関係機械のレンタルの他、農業王国で大規模農業の現状や課題についての情報収集、事業展開の市場調査などがプロジェクトに課せられている。

2.農業王国でタブーに挑戦
 農業機械は高額なためにレンタルのニーズはあるが、収穫期が集中するなどで稼働率が悪く、業界ではタブー視されてきた。ただ、成長産業として農業分野には、企業による新規参入の動きが活発化。農機購入は、中小規模や新規就農する農家にとっても負担は大きい。市場としての可能性が膨らんでいる。

 農業機械に対しては、所有に価値を置く考え方があるが、必要なときに安く効果的に使う方法を探る経営感覚を持った世代も増えている。虎井室長は「時間はかかるが農業のレンタル化は確実に進む。黙っていてもお客は来てくれないので、レンタルを使ってもらえる仕組みを作っていきたい」と力を込める。

3.農業現場に「マシーネリング」を
 農機レンタルの仕組みとして考えるのが、トラクターやコンバインなどを共同利用する「マシーネリング」だ。農業経営のコスト分散につながるとして、ドイツでは定着している。インターネットを使って利用予約、利用状況などを共有できれば、効率的に使うことが可能になる。

 同室では、管内の試験研究機関と連携し、マシーネリングの調査研究を進め、今年2月には北農研と共催でセミナーも開いた。マシーネリングの手法や連携先などは固まってきており、実証に入れる段階。虎井室長は「農業機械の共同利用をぜひ成功させたい」と語る。


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