農に向き合う~農業経営部会会員紹介「音更・かわい造園」
1.庭造りから景観作りへ
庭造りの設計施工、せん定や芝刈り、草刈りなどを行う。庭は個人宅から店舗、農場まで幅広く手掛ける。その意識は単に植栽や塀などで庭を形作るのではなく、「景観」を作るというもの。過ごし方や生き方を考えた空間づくりを追求している。近年は農村の景観に注目。草一つなく管理された畑のように、住宅周りの空間づくりにもこだわれば、より良い時間が過ごせると提案する。川井社長は「農場を見に来る人は、きれいな所の作物を買いたいと思うはず。十勝の多くは農村地帯。農村の景観をよくできたら、十勝の景観はもっとよくなる」と持論を語る。
2.時間をかけて生み出す庭の「色」
庭造りではデザインよりも考え方を大事にしている。自社のホームページは、実際の作例を見せるよりもコンセプトを伝えることに重きを置いた。仕事の依頼を受けた施主とは、打ち合わせで好みを引き出し、相談を受けながら、その自宅や農場の「色」を出していく。時間をかけ年をまたいで完成させていく庭もある。一昨年から約2ヘクタールの敷地内で野菜作りを始めた。農家からの仕事が増えるにつれ、「作物を作ることがどういうことか、身をもって知りたかった」と川井社長。無農薬でジャガイモやタマネギ、大豆、トウモロコシ、ニンジンなどを栽培し、管内外で直販している。この考え方もこだわりの一つだ。
3.人がつながる「モレウの森」
事務所や畑のある敷地一帯を「MOREU(モレウ)」と呼んでいる。アイヌ語で「モ(ゆっくり)レウ(曲がる)」の意味。渦巻きや川の流れを表す。「ここに来る人たちが渦をまくようにつながっていくこと」を願って名付けた。十勝川を望む一角にはキャンプができるスペースもある。いずれは馬を飼いたいとの構想もある。これからの目標をついては、「目の前のことを一つひとつ仕事していく。それを楽しくできて、人の役に立てればいい」と自然体で語った。
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