労災死、過去最少の4人 建設業14年ぶりゼロ 20年管内
帯広労働基準監督署(高津信之署長)のまとめによると、2020年に十勝管内で発生した労働災害による死者数(速報値)は4人で、1967年の統計開始以来、2012年、14年と並び過去最少となった。全道17労基署でワーストの13人と過去最多を記録した前年から一転し、大幅な減少となった。
昨年、発生した死亡労災事故は、林業で1件、製造業で2件、土石採取業で1件。建設業での発生は06年以来、14年ぶりにゼロだった。
死者数減少の要因について、帯広労基署は「前年に多くの死亡労働災害が発生したことを受け、業界団体や企業が安全対策を徹底した結果」(安全衛生課)とみる。
また、道労働局のまとめでは、昨年の道内の労働災害死者数(12月末時点の速報値)は48人(前年比20%減)で過去最少を更新した前年(62人)を大幅に下回る見込みで、全道的な傾向があることから、新型コロナウイルス感染拡大による事業者の業務減少も要因として挙げられる。
4件の死亡労災事故の中には、昨年11月に幕別町内の砕石工場で発生した、設備内に作業員がいる状態で砂利を投入したケースなどもある。
同署は「林業での伐倒事故や、機械に巻き込まれる事故など、基本的な安全対策を徹底することで防げる事故が多い」とし、注意を呼び掛けている。(大谷健人)