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景観デザイン 軌跡一冊に 高野ランドスケープの高野会長

書籍を手に「ランドスケープの魅力を知ってほしい」と話す高野さん

十勝千年の森やエコパ 写真と文で
 高野ランドスケーププランニング(音更町)の高野文彰会長(76)が、世界各地のランドスケープ(景観設計)デザインと、そこに携わる人々の思いを載せた「ランドスケープの夢 Dream of Landscape」(建築資料研究社)を出版した。十勝千年の森(清水町)や十勝エコロジーパーク(音更町)を含め、自身や社として携わった国内外のランドスケープの魅力を文章と写真で紹介している。

 高野さんは中国生まれで、3歳で山形県米沢市へ。北海道大、米ジョージア大大学院修了。1975年に帰国し、高野ランドスケーププランニングを設立。日本造園学会賞(80年)など受賞多数で、2016年から国際ランドスケープアーキテクト連盟(IFLA)日本会長。19年からはIFLAアジア環太平洋地区会長も務め、世界の第一線で活躍している。

十勝千年の森など、高野さんらが携わったランドスケープがエピソードと共に紹介されている

 今回手掛けた書籍は「ランドスケープの魅力や、デザインができるまでの経緯を知ってもらいたい」(高野さん)と10年がかりで完成させた。六つのテーマに分けて庭や公園を紹介しており、管内では十勝千年の森、十勝エコパ、共働学舎新得農場(新得町)などを掲載。国外の「ウガンダ植物園」や「シャーアラム中央公園」(マレーシア)なども含め、高野さんらが手掛けたランドスケープの軌跡を一冊にまとめている。

 「そこの土地にあって、人々が楽しめる。建物があって植物を植えるだけではない、自然を生かしたアート的な空間を感じてほしい」と高野さん。IFLAアジア環太平洋地区会長に就任後、オーストラリアの大規模森林火災があり、「温暖化も進む中、また新しい時代になってきた。それぞれの国と協力していかなければならない」と地球環境の変化を感じ取る。

 後半では90年に共に東京から十勝に事務所を移した象設計集団(音更)との共同生活などを振り返る対談も収録。高野さん、樋口裕康さん(象設計集団創設者)、金清典広さん(高野ランドスケーププランニング代表)の3人で当時の思い出や携わったプロジェクトを振り返っている。

 今年は北海道に移住して30年の節目。近年は若い世代も業界に増え、「タイトルの『dream』にも合っている。いい本ができた」と話している。A4判、256ページ。3800円(税別)。全国の書店やインターネット書籍販売サイトで扱っている。(松田亜弓)

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