紙ドレス 国際ショーにデザイナーで参加、10着披露加藤さん(帯広)カナダへ
現代アート作家で紙を素材に立体造形に取り組む加藤かおりさん(32)=帯広市=が、17日(現地時間)からカナダで開かれる「バンクーバー・ファッション・ウイーク(VFW)春夏2019」に参加する。デザイナーの1人として自作の“紙のドレス”10着を出展、ショーでモデルが身に着けてランウエーを歩く。自身も現地入りしてフィッティングや演出などを手掛けることになっており、「分野は違うが、いい刺激を得て今後の制作活動につなげたい」と意欲を見せている。
VFWは年に2回、バンクーバーで開かれるファッション・イベント。北米2番目の規模とされ、世界各国から新進気鋭のデザイナーやバイヤー、メディアなどが集う。今回も23日までの1週間、参加デザイナーが連日ショーを開く。
加藤さんは紙(レザック紙)を幾何学模様に繰り返し折り、立体化させたオブジェの制作で知られている。インスタグラムに投稿した紙のドレスの写真がVFWの目に留まり、今年2月、事務局からオファーがあった。
デザイナーと現代アートという分野の違い、資金や仕事の都合などから迷いはしたが、友人ら周囲の後押しもあって出展を決意。6月からデザインなどの構想を練り、指定数の10着(各帽子付き)の制作を進めた。
完成したドレスは色も紙の折り方もさまざま。“着るオブジェ”として、黄一色で全身を包み込むように仕上げた「KANA BRIGHT」など新作が6着、他の4着は過去の作品を手直しした。使った紙はA1サイズで1着当たり十数枚から30枚。「着て歩ける」ことを第一に「布では出せない、紙だから見せられる模様にこだわった」という。
ドレス以外にも、発表作品の一覧(ラインアップシート)や演出、BGM、映像なども自ら用意しなければならず、準備に追われた。
加藤さんのショーは実質初日となる18日の最後で15分間。「容易な道のりではなかったけれど、周囲の応援とサポートがあってここまで来られた。そうした皆さんの気持ちを背負って参加する。この冒険を大いに味わいながら頑張りたい」と話している。14日に出発する予定。(金谷信)