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種苗販売100年の歴史に幕 十勝豊産園

年内にも店を閉じる十勝豊産園と松原社長

「時代の変化」輸入品、大型店に押され
 1916年創業の種苗販売「十勝豊産園」(帯広市西1南11)が、年内に店を畳む。昨年末に一度、経営の先行きを見越して店を閉じたが、1月7日から在庫処分で店を開けてきた。取引先農家の高齢化や後継者不足などが背景とし、3代目社長の松原惟惠(ただしげ)さん(73)は「時代の変化を感じる」と話す。

 同店は、松原さんの祖父が市内中心部の名門通沿いに開業した。農家に委託して主に枝豆を生産し、採取し精選した枝豆を需要がある本州で販売。昭和40年代は1台10トンほどの貨車を3、4台使用し、種を出荷した。

 しかし、73年以降、台湾や中国から輸入された安価な冷凍の枝豆に押され、生産量も年々減少。一昨年にはピーク時の100分の1以下まで落ちた。また近年は郊外で相次ぐホームセンターの進出により、小売りの売り上げが低迷。「ぴたっと来なくなった。街中のダメージは大きかった」(松原さん)

 春になると種を買い求める客で店はにぎわい、創業から100年間、地域の人に愛されてきた。ある顧客は「十勝豊産園の種は品質も良く、安心して購入できたので(なくなるのは)寂しい。この春は多めに種を購入した」と話す。

 長年一緒にやってきた農家からも惜しむ声が聞かれるが、「時代の推移です」と松原さん。現在は約10種の種が在庫で残っているほか、肥料やガーデニング用品などを割引販売。「営業は年内に終える予定」という。(牧内奏)

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