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平和の願い 十勝に届け 広島・原爆の日

平和祈念式会場を訪れ、「原爆ドーム」(旧広島県産業奨励館)前で式典の開会を待つ福原聖良副団長(左)と松野仁美さん(6日午前8時ごろ、広島市中区「平和記念公園」で。金野和彦撮影)

 【広島】71回目の「原爆の日」を迎えた広島市は6日、鎮魂と平和への祈りに包まれた。午前に開かれた平和祈念式の参列者の中には、十勝関係者の姿もあった。オバマ大統領が5月に米国現職大統領として広島を初訪問した節目の年に、核兵器廃絶の思いを新たにした。

 午前8時から平和祈念式が行われた広島平和記念公園には、夜明けとともに祈りをささげる人が相次いで訪れた。地元高校生が平和を訴えるビラを配布したり、世界各国から訪れた人々が展示資料に関心を向けたりするなど、さまざまな形で平和を願う気持ちが会場に集った。

 平和運動フォーラム十勝ブロック協議会は6人を広島に派遣。平和祈念式のほか、広島で開催中の原水爆禁止世界大会に参加して関係者と意見交換し、核兵器廃絶の国際世論を高めた。十勝総合振興局の佐藤凌さん(22)と川崎浩太さん(21)は、式典に参加したことのある同僚の体験談を聞いて訪問を決意。佐藤さんは「広島では原爆ドームなど被害に遭った施設があり、平和を訴える高校生の姿があった。北海道に帰ったら平和への思いを伝えていきたい」と声を強めた。

 川崎さんは「外国人や子どもも多く、平和を思う気持ちは共通だと感じた」と多くの人の気持ちに触れた。

 原水爆禁止帯広協議会などで構成する十勝代表団は、小中学生を含む16人が原水爆禁止世界大会に参加。祈念式会場を訪れた同副団長で幕別原水協の福原聖良さん(18)=帯広大谷短大1年=は「説明を受けながら見学したことで理解を深めることができた。広島で見たり経験したりすることで、説得力のある自分の言葉で平和を伝えていきたい」と語った。

 新日本婦人の会帯広支部の松野恵さん(43)は娘の仁美さん(12)=帯広翔陽中1年=と訪れ、広島市内を走る広島電鉄の「被爆電車」で被爆状況を学ぶ平和学習会に参加。仁美さんは「原爆は授業で習ったばかり。当時の悲惨さが実感できた」。恵さんは「戦争体験を話せる人が少なくなり、危機感がある。広島で学んだことを十勝の人に伝えていきたい」と話した。

 コープさっぽろの事業「平和スタディーツアーヒロシマ」の一員で式に参列した帯広柏葉高1年の口田怜央さん(15)は「平和記念資料館では教科書に載らない残酷な写真や資料、現地の高校生による被爆者の証言を基に描かれた絵画に心を打たれた。オバマ大統領が作った折り鶴はとても丁寧に折られていた。添えられていたメッセージから平和を願う気持ちが伝わってきた」と感想を話した。
(藤島諒司)

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